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昭和生まれの元証券マンの独り言

【マーケット徒然草NO.15】
【バブル】について(6)

  前回、ブラックマンデーのお話しをしましたが続編です。朝から全銘柄が売り気配で始まったのですが、最初に寄り付いたのは今でも覚えていますが、東京製綱(5981)通称ロープでした。(後で分かったのですが、実は仕手筋が買い集めしていた株だったのでした)
その後、一部の銘柄が値を付け始めましたが、お客様が成り行きで出した売り注文が出来ずも沢山ありました。(翌日反発したので売れなくて正解でしたが)
当時営業マンだった山田は、ある大手のお客様でストップ安のANA(全日空)を、5万株買付!幸い翌日の上昇で利益確定した思い出があります。(山ちゃんは買付余力があるなんて余裕の営業してるね、と先輩に言われたのも想い出です)
今考えると、山田個人が今回の昨年8月5日の暴落の最中、恐々『三菱重工』株を1,200円で少し買えたのは、この時の経験があったからかもしれません。(ストップ安の『フジクラ』も買いたかったのですが怖くて買えませんでした。人間の心理なんて偉そうに言ってもそんなものです)
但し【落ちて来るナイフは掴むな】の格言通り、下がったからといって安易に買うのは本当は避けるべきです。
ちなみに最近株を始めた息子は、この時同じ三菱でも銀行を買って、間違えたと後悔していました。(今となっては利上げもあって不祥事があっても上がっていますが)
ブラックマンデーの経験から下げは一回では終わらず二番底がある(ブラックマンデーでもリーマンショックでも)と考えていたのですが、今回は明確な二番底はなく、その点でも8月の下げは日本銀行植田総裁のボーンヘッドであったと山田は感じています。(一番問題だったのは直後の記者会見での強気のタカ派姿勢でした)なんでこんなにタカ派なんだろうと感じたのは山田だけではなかったのではないでしょうか。
植田総裁は7月の利上げの直後、米国ISM製造業指数が悪化して米国株が急落、そのことを言い訳にして米国の景気動向を注視すると山田に言わせるとトンチンカンなことを言っていて、正直がっかりしました。
何度も言いますが、8月の史上最大の下げ幅の主因は予想以上の円キャリートレードの巻き戻しの需給要因であり、内田副総裁を始め日銀の首脳陣は多分分かっていると思いますが、当の植田総裁が米国の景気を注視しているは噴飯物です!(ようやくデフレを脱しつつ日本とインフレを克服、景気も良い中、利下げモードの米国では、そもそもの立ち位置が違います)
実際、米国ISM非製造業指数は良く米国株は反転!日本市場も内田副総裁の火消しを好転して二番底なく反転したのでした。
生き物であるマーケットを相手にしているのですから間違えることはあっても仕方がない。但し、同じ間違いを犯さない様に敗因を精緻に分析することが必要と山田は思います。植田さんは、この一件で完全にチキンになり、ウォッチする必要がなくなりました。(所詮学者だった訳です)
 話しをブラックマンデー時に戻ると、10月20日の▲3,837円安(▲14.90%)日経平均21,190円の翌日こそ2,494円高(11.38%)と反発したのですが、その後ジリ安、11月11日には日経平均で20,514円の安値を付け二番底を付けたのでした。ただ底は付けたものの、商いも少なく暗い年末だった記憶があります。
しかし、このブラックマンデーが後から考えると日本のバブルを醸成したのでした。

【バブル】について(7)に続く


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