どんなに些細であっても、1つの文化を壊すような何かを看過しちゃいけないの
じつは思っていたより歴史のある提供スタイルだったんですね。
発祥は東大阪市の布施に開店した『廻る元禄寿司 1号店』で、なんと1958年ということだったので驚きました。
東京タワーの完成と同じ年からあったんですね、回転ずしって。
そんな65年の歴史あるものが、くっだらないイタズラで脅かされています。
大げさな、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
たかが回転ずし、たかがイタズラ。
仰ることはご尤も、ぶっちゃけ騒ぎすぎているきらいはあると思います。が、こと飲食に携わる方にしてみれば「冗談じゃ済まされない」ことだとも考えますし、いっそ食文化の1つが失われるかもしれない状況だとも。
だってスシロー、まわってないんだよ?
サービスの天かすを共用のスプーンで食い散らかす阿呆だとか、同じようなことは幾らでもあって、いまビュッフェなんて行きたくなる気分じゃない。
ニュースサイトなんかには、もしツバじゃなく毒だったらなんて書いてたりするのもあるけど、これまた頭が悪くて、誰もそんな話はしてないわけ。
マナーの破綻が問題であって、飛躍しても本質がブレるだけです。
そんな話じゃない。
言っちゃえば、しょう油を差し舐めたところで「気持ち悪い以上の実害あるやつ」なんてのがいたとしたら、もっと違う別の問題だと思うんです。
生まれてはじめて回転ずしに連れてきてもらった小さな子が、食べ終わったお皿をレーンに戻すのを見たとて、さすがに怒鳴りつけはしないでしょう。
何もせず放っておく親がいたらイカレてんな、とは思うけどね。
これは、そういう「いいこと」と「いけないこと」を当たり前に理解しない育てられ方をしたのが世に出てき始めてる、って問題なんじゃないのかな。
もっと前から似たようなことしてたんじゃないかって思います。
誰かに迷惑がかかる、なんて考えもしないで。
そうやって育っちゃったら、そういうのがわからないなら、もう仕方ない。
親が悪い、なんて言うつもりもありません。
そうやって育てちゃったなら、わからなかったなら、もう仕方ない。
日本は、そういうマナーのイカレた国になりつつあるってだけのことです。
そういうのを感じるのにも慣れてきちゃってるしね。
些細な、どうってことない何かを見過ごしちゃったんでしょう。
こんな大それたことになっちゃうとも思わずに。
見逃しちゃいけなかったものに目を背けた結果ってだけのことです。
こんなの幾らでも出てくるんじゃないかな、これから。
1つの文化を壊すような何かを看過しちゃいけなかったわけ、些細でも。
もう手遅れなんですけどね。