見たこともない世界の、見たことがある鮮やかさ。
次世代機として「PS5」が発表されたころにPS4を買った。
「ファイナルファンタジーⅦ」がやりたい、と妻が言ったからである。
一抱えもあるフィギュアまで持っているファンだったのだ。
..前回の引っ越しまで、そんなものが我が家にあったとは知らなかったが。
さておき、PS4である。
ダウンロードした試供版で操作の複雑さに挫折し「ファイナルファンタジーⅦ」を断念することになった妻の失意は後目に、今や私が占有している。
かれこれ1年になるが、ひたすら「Red Dead Redemption 2」というソフトで楽しんでいる。
西部開拓時代の終わりが舞台のクライムアクションで、オフラインの本編と、オンラインのMMOが楽しめる。
とくに本編のストーリーは素晴らしい。が、ストーリーを破綻させないまま絶妙なバランスを保っている高い自由度にも驚かされる。
何より魅了されたのは「景色」であった。
ただ、どこかで感じたことのある驚きでもある気がした。
序章は吹雪からはじまる。
つぎの章から季節は春めいて、その明度を増す。
木々の緑に「すごいな」と口をついた。
その鮮やかな色彩に、いつか感じた驚きを思い出した。
「クロノトリガー」だ。
あのときも「すごいな」と口にした気がする。
まさかのスーパーファミコンだ。
過去に、未来に、次元を超えて旅をして、世界を滅亡から救う。
「The」がつくような、まさに王道のストーリーだ。
いま思えば、画期的な自由度の高さと破綻しないストーリー構成があった。
スーパーファミコンで、だ。
画期的という点で、もう1つ。
不思議と「Red Dead Redemption 2」と共通する、少なくとも私自身はそれまで体験も想像もしなかった出来事が主人公の身に起こる。
万が一にも「これから遊ぶぞ!」という方がいらっしゃるかもしれない。
どちらの物語でもキモになる部分なので、詳しく触れるのは控えるとしよう。
何より「すごい」と口をついてしまうほど鮮やかな緑。
20年数年を経てリンクするゲームの思い出だ。
素晴らしいストーリーや、魅力にあふれるキャラクターは数多い。
ただ私は、鮮やかなグリーンに心を奪われる。
心に残るゲームには、いつも緑がある。