アフターサービスチームはものづくりの責務を持たないながらも、ユーザーが必要なものを調査できる立場にあるために、社内では優秀な企画者となることがあります。補助機構ユニットなら、ユーザーの他工程から学ぶことが可能ですし、生産管理を支援するソフトウェア機能なら、解決したい課題を深掘りすることで、本質的な制作企画を立てることができます。

補助機構
補助機構ユニットはワーク特有のハンドリング課題を解決するために追加されることがあります。ワークが歪む、静電気で張り付く、チャックに失敗するなど。
回路基板の製造の後工程(ドライ工程)は、幾つかの加工、貼り付け、検査の工程で構成されます。流れている製品は一貫した特性を持つのが通常のために、それぞれの生産設備で要求されるワークハンドリング技術も共通のものとなります。メカニカルな課題解決には模倣するのが得策です。ユーザー生産のために論理的な模倣を行います。昨今の生産現場ではカメラの持ち込みが禁止されることが多いです。ノートとペンを持って、課題解決に必要な機構をメモします。そうして、設計者とレビューすることにより、補助機構ユニットが実現するに至ります。

生産管理支援機能
生産設備はワークに施す仕事以上に、様々な条件が要求されるようになりました。段取り替え(生産機種変更)の時間を短縮したい、生産使用したパラメーターの記録機能が必要、オペレーターが使用する画面を制限したい、ツール交換のアラームを出してほしい、、、など。検討するステップは、1.既存機能の組み合わせ、2.小改良での機能制作、3.転売可能な機能制作、4.要望に100%ミートする機能開発。特に4.は開発コストや提案コストが高額になるので、予算でストップがかかってしまいます。提案で要する時間コストを浪費することを避けたいです。要望が発生した担当者や部門から予算規模が想像できる場合があります。予め把握に努めたいところです。
※コスト高額だが本質的に必要な機能である、という場合もあります。そういった機能開発提案は常に懐で温めておき、設備のリピート販売の際に提案して、設備投資の予算からコストを確保することがあります。ユーザーの生産や生技の予算に多くを望めませんが、設備投資やITプロジェクトのような予算規模であればチャンスが広がります。

要望拒否/提案辞退
特に海外代理店を経由して寄せられるソフト改良要望に多いのですが、非合理な要望も一定数存在して、拒否或いは提案辞退することもあります。予算感が合っていない、解決したい課題が明瞭ではない、要望が具体的だが課題解決に寄与しない、などの理由です。制作物が全て売れる確約はない中で、提案やムダ開発に時間を割いていると、競合に負ける要因になってしまいます。顧客の立場からは劣化の如く見積もり要請が届くのですが、ビジネスをシビアに判定して拒否しなくてはなりません。

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