アフターサービスに従事すると、顧客工場に足を運ぶ機会が多いです。当社は高い品質要求に基づいた検査条件が備わった設備を提供しているため、顧客には業界トップクラスの企業が多く、製造現場のレベルが高いことがすぐにわかります。工場内は整然とし製品の導線は合理的、現場の照明が明るくて、作業環境としても心地よく思えます。有名ブランドのガジェットに使われる部品を製造しており、情報管理の要求に応えるためのセキュリティー体制も敷かれています。 安全管理 ハイレベルな顧客をターゲットにしている
保守部品リストは、生産設備がユーザー現場で運用されていく時に、故障リスクを考慮して予め部品をストックしておくことために参照するリストです。主要な機構部品であるモーター、ボールネジ、ベアリング。アクチュエーターやセンサー類、制御基板や操作ボタンなどが該当します。通常は設備納品に添付して提供されるものですが、幾つかの役割を担っています。 購買部門による購入計画 設備発注が決まると、先方の購買部門から早々に保守部品リスト提出の要請があります。大きな企業であれば、各プロセスで使用す
生産設備に限らず、事業には攻めと守りの活動があります。また、攻めの時に守りを考慮、守りの時に攻めるチャンスをデザインすると効果の高い活動になります。サッカーやバスケ、将棋のようなものです。 生産設備の製作納品までのほとんどは、攻めの活動です。商品企画、プロモーション、営業訪問、受注、設計調達組立出荷。そして、それらで発生するトラブルに対応する業務が守りの活動です。 社内プロセスの攻めと守り 設計から始まるプロセスゆえに、設計者が攻守をデザインしています。起こり得るトラブルは
生産設備の不具合を発見したときに、使用者にとって重大な不具合である場合には、顧客に知らせた上で、迅速に解決策を提供しなくてはなりません。重大な不具合というのは、使用者に危害を加える可能性や、顧客に損害を発生させる類のものです。顧客現場や設備メーカーでの制作工程、不具合の発見シーンに寄らず、市場へ納品した設備への対策横展開を行うことになります。 電気部品対策 加工ツールの発熱により、部品が焼損する不具合が発見されました。使用者に火傷を負わせる可能性や、煙が発生したことから火
当社の回路基板向け生産設備に、カメラアライメント付き金型パンチ(ワークが位置決め移動)があります。その装置でソフト機能要望を受けた時に検討したプロセスを記したいと思います。 要望受付 顧客A「アライメントマークと加工の座標記録ログ」が欲しい。 ※アライメントマークは加工基準としてカメラ撮像されるマーク。 顧客B「個別オフセットの自動設定」が欲しい。 ※オフセットは金型パンチに与えられる位置パラメーター。設計値からの差異を意味する。一般的にはカメラー金型の中心誤差を吸収するた
アフターサービスチームはものづくりの責務を持たないながらも、ユーザーが必要なものを調査できる立場にあるために、社内では優秀な企画者となることがあります。補助機構ユニットなら、ユーザーの他工程から学ぶことが可能ですし、生産管理を支援するソフトウェア機能なら、解決したい課題を深掘りすることで、本質的な制作企画を立てることができます。 補助機構 補助機構ユニットはワーク特有のハンドリング課題を解決するために追加されることがあります。ワークが歪む、静電気で張り付く、チャックに失敗す
当社の回路基板向け生産設備において、検査機アフターサービスの人材不足が課題となっています。検査機でサービス提供するには、一般的なサービス人材としての知識経験の他に、検査機特有の座学や、検査条件の利害関係者の把握が必要になることがあります。 プレーヤー(製造経験)人材 生産設備のサービス人材は、商品知識からサービス取引までを学ぶ必要があります。商品知識は設計、製造、調整などの技術業務を基礎としてアプローチすることが一般的です。製造調整の経験者は、設備に触れる経験が特別多いため
生産設備のアフターサービスは、社内外からユーザー現場の全てを期待されてしまうので、設計、製造、調整、営業に至るまで、全てのスキルの活用が可能です。アフターサービスのメンバーを定義することは、事業を定義するのと同様に重要です。 当社のアフターサービスメンバーは6名は以下のような構成で、国内外の回路基板向け生産設備のサービス業務を担っています。 コントローラー1(設計) 海外市場+企画 プレーヤー1(設計→営業) 特定の直販顧客、国内外拠点 プレーヤー2(設計) 直販顧客、検
主に中国で事業展開する、香港系設備代理店W。設備保守技能にアドバンテージのある専門設備商社です。回路基板製造業界にコネクションを持ち、当社の加工機や検査機を販売してくれます。当社は日系設備メーカーですので、中国ローカルからすると高級設備に分類されます。それゆえに、顧客は日系や韓国系、台湾系などの中国内の海外資本企業が中心となります。海外企業への販売促進は設備メーカーである当社がマーケティングを担っているので、中国内の営業は難しくありません。代理店の営業営業担当は、価格交渉と販
日本の設備関連専門商社、生産業界は分野ごとにこのような商社がコネクションを作って、技術マッチングがなされています。15年以上前では日本顧客開拓に欠かせない存在でしたが、今日では日本企業が飽和、当社設備の業界知名度向上、それによってプレゼンスは低くなりました。商社機能に加えて、サービス部隊があれば違ったかもしれませんが、商社経由よりも直取引が主流になりました。それでも、間に入っていると、顧客の厳しい価格交渉を受けずに済むので助かります。 茨城の顧客N現場でトラブル対応で深夜ま
生産設備のアフターサービスには、日々大小様々な問い合わせが入ります。ユーザーには生産と出荷の責務があるため、チョコ停でも一大事になります。それゆえに業務外時間や非稼働日でも設備メーカーに対応を要求したいと思っています。設備メーカーとして、アフターサービスを豊富に揃えられる事業環境なら良いのですが、アフターサービスは営業コストとして利益性を圧迫する要素となり、一定の制限を設けることが必要です。 サポート営業時間 BtoCのサービスであれば、平日の10:00-17:00のように
かつては多くの日本企業が製造拠点を構えた地域でした。当社の生産設備においても、顧客企業の工場建設に伴って納品が進みました。その後は台湾の人件費は上がり、顧客企業の生産拠点は中国大陸や東南アジアに遷移していきました。現在では付加価値の高いローカル企業が多く存在するものの、生産拠点として運営することは難しい地域となっています。当社の大手顧客でも、2017年くらいまでは有名スマホの部品供給が盛んに行われていましたが、中国大陸での生産が軌道に乗った時点で稼働は非常に少なくなりました。
以前から多くの日本企業が生産拠点を構えています。 近年は多くの韓国企業が、自国の生産をベトナムハノイに移す潮流があります。ハノイ空港から車で40分の場所に、韓国企業の工場が集まるエリアがあり、近くには韓国人が居住する街も形成されています。生活や食事の殆どが韓国人向けに整えられています。 ※駐在した中国で、私は日本人街に出入りしていましたので、そのことを思い出して懐かしくなりました。 韓国企業の生産拠点 2005年ごろ、当社の生産設備は韓国にも多く納品されていました。簡単な
ある市場は、かつて売上高のある場所でしたが、現在は重要な企業が存在するにもかかわらず、生産が盛んではありません。予算はかけられないが、コネクションを維持したいという難しい状況です。この市場でのアフターサービスにおいて、事業と人材を成長させる方法を探しています。
生産設備のアフターサービスにおける優秀な人材とは、顧客解像度の高いことを示します。優秀な人材にはハイタッチ顧客よりも、ロータッチ、テックタッチを広く預けることになります。
フェーズ1 問い合わせ フェーズ2 顧客課題の認識と効果検証 フェーズ3 提案提示と厳選 フェーズ4 顧客による意思決定、購入までのタスク精査 フェーズ5 発注フォロー フェーズ4については、当社でも全く出来ていない領域です。安価とはいえないサービス提案に対して、成約率を上げていくことが、生産設備においてもLVT向上やロイヤルカスタマー形成に貢献できるものと考えています。 フェーズ4 顧客による意思決定、購入までのタスク精査 提案を固めて見積価格を提示します。簡単な改造