13:女はね、関係に名前をつけて欲しいものなの。
LINEで
(笑)
を付けなくても、何でも話せるくらい気を遣わなくなったとき、それは友達になったと言えるのだろう。
恋愛の駆け引き、"押したら引くこと"を図らずも彼から教わった私は、いま無意識に彼に同じことをしている。
すぐに返信しない、語尾に(笑)を付けすぎない、絵文字の🥺を乱用しない。できるだけ冷たくする。でもたまに優しくして、そしてうっとりさせる。
全部私がされてきた事。
されて、彼という沼にはまって、盲目になった。
彼女のいる分際で、失恋して別れたばかりの私に優しくしたり、気がある素振りを見せたのはやっぱり有罪だったんだ、と思う。
恋はお互いが罪だ、だからもちろん私も有罪だった。
今まで彼にされたことを同じようにしているけど、彼が振り向くことはないと思う。
彼は彼女を大切にすることを自分のステータスにしているから。
彼女持ちでもほかの女と遊ぶ、俺。
だからやめとけって言ったのに、こんな男。
好きだった。それは本当だった。
今でも、まだちょっと好きだけど、
好きじゃない部分もちゃんと見えている。
だから前とは違うと思う。
きっとまた好きになる。
諦めきれずに遊びに、飲みに行く。
それでいつか2人でベットに入った時、
幸せで、辛くて、悲しくなる。
どうせ後悔するんだろう。
あの時やめておけば良かった、なんでこんな男に夢中になっていたんだろう、と。
だから友達だと言い張る、友達だと思いたい。
「友達って強調しすぎじゃない?」
とあなたはからかうけど、
友達だと思ってないとやっていられないのよ。
特別な関係になりたいし、私はあなたのことが好き。だけど、あなたは私のことを好きじゃないでしょう?
お互い依存しているだけ、そんな曖昧な関係なら、いっそ友達と割り切った方が楽しい。
「最近忙しそうだね、」
と言ったら、彼は
「めっちゃ忙しいよ、でもまた空いてる日教えてね。笑」
と言った。
この関係を終わらせたくないばかりに、私は友達になろうと頑張っている。
いつか終わらないように。会えなくなる日が、連絡が途絶える日が突然来ないように。
セフレに成り下がらないように、これ以上深い関係にならないように。
気をつけながら、私は彼をいまも少しだけ好きでいる。
友達なんかじゃ、きっとないけれど、
いつか本当にただの友達になりたい。
Ckw.
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