日本が国際ルール作りに参画することの重大な意義:「ナプキンをはじめに取る者」へ
「ルールを作る側こそ、勝者」
というのが世の常だと思う。これまで日本は、欧米が勝手に作るルールにずっと泣かされ続けてきた。
日本が優勢になってくると、「はい、ルール変更!」としてしまうのが欧米のやり口であり、直近では日本のハイブリッド車潰しのためのEVシフトが例に挙げられる。
けれどもここ最近、「日本がルールを作る側」に回る、という機会も増えてきた。これは、日本の歴史における大きな潮流の変換点だと思うので、ここに記載しておきたいと思う。
以下の報道が、その一例である。
脱炭素分野で日本・EUが調達ルール
「日欧が共通ルールを定め、G7で共有し、国際的なルール作りを目指す」ということである。
サラッとした報道のように思えるが、かつての日本を考えれば、隔世の感がある。
ファニー・ヴァレンタイン大統領の名言
ここで少し話は変わり、ジョジョの奇妙な冒険に登場するファニー・ヴァレンタイン大統領の名言を見てみよう。
「テーブルのナプキンの右側を取るか、左側を取るか、最初に取った者が決めている」
「世の中の全てのルールは、ナプキンのように、はじめに決める者が存在する」
という内容の言葉である。
これは、「覇権」の本質そのものであり、世界情勢を分析している小生のnote記事にしばしば登場する「名言」である。
右のナプキンを取るか、左のナプキンを取るか、はじめに取る者に全ての者は従う。
つまり、「ルールを作る者こそが真の勝者」である。
少しずつではあるが、日本もナプキンをはじめに取る者の側に回ることができるようになってきたということである。
これは、先進国の経済安全保障を脅かす中国の存在が大きいこともあるが、「地球儀を俯瞰する外交」を展開してきた安倍政権時代の外交の成果であることも、忘れるべきではないと思う。長期政権となり、自民党腐敗の膿が噴出する昨今であるが、功罪は分けて考えなければ、日本はまた道を誤るだろう。