加速する世界の仕組みの変革:イギリスTPP加盟と韓国の戦略的な動き
とうとう、イギリスがTPP加盟となるという報道があった。
いま世界は大きな変革期を迎えているが、これはその象徴的なできごとのひとつである。
イギリスのTPP加盟
EUから離脱したイギリスが、TPPに加盟する。
これは、まさにイギリスがランドパワー(大陸国家)と決別し、シーパワー(海洋国家)へと回帰する大きな時代のうねりを示している。
そしてこの流れは、同じくシーパワー(海洋国家)である日本と相性がよい。日英は必然的に海洋国家同士として、手を組む運命なのだと思う・・・というより、お互い大陸国家に深く関与すると不幸になる。実際に、過去に日英同盟があった時代に日本は安定・繁栄し、日英同盟が解消されて以降、世界の孤児としての道を歩みだした歴史もある。
TPPはアメリカが抜けたことで弱体化しているが、それを埋める形となるイギリスの加盟は、日本にとっても極めて大きな出来事である。
そしてTPPは、自由で開かれたインド太平洋戦略をサポートする数々の仕組みの一つでもある。日米豪印のクアッド諸国に次ぐ重要性を、イギリスは持っている。
そして急に戦略的に動き出した韓国
そしてこの2か月ほどで、急速に日韓関係の改善の兆しが見えている。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領となって以降、徴用工問題の解決、いわゆるホワイト国排除に関するWTO控訴取り下げ、GSOMNIA復活など、次々と懸案が解決の兆しを見せている。
超・反日国家の韓国の大統領が、いったいどうしちゃったの??
という驚きを禁じ得ない状況が続いているが、実際に反日的な韓国国民の批判をうけ、血だらけになりながらもこれらの施策を、ユン大統領は実行しているようだ。
「いやいや、どうせゴールポストすぐ動かすでしょw」
「レーザー照射問題、ちゃんと謝れよ!」
「てか、竹島から軍を引き上げろ!!」
とか言いたくなる気持ちも良くわかる。よ~く分かります。
けれども、このユン大統領の動きは、きわめて戦略的な動きであるということも評価せざるを得ない。
いま、世界の潮流の「最上位階層」に存在するのが、自由民主主義陣営VS権威独裁主義陣営のチーム分けである。その具体的事象として、米中新冷戦があり、ウクライナVSロシアがある。
韓国のユン大統領は明確に、「自由民主主義陣営に入れてください!」というメッセージを送っているのである。根本的な和解が不可能なのは恐らく承知のうえで、とりあえず解決しやすい問題から、それでも血だらけになりながら日韓関係の改善に取り組んでおり、アメリカもそれを大歓迎している。
ユン大統領のまえの政権には、残念ながらこういった世界戦略がなかった。反日・親北朝鮮を、彼の理念に従って推し進めていただけのようにみえる。
ともかく、すべての棘が取れて、真に日韓が和解することはまだまだないだろうが、少なくとも大局的な視点をもって動いているという点で、ユン大統領は侮れないかもしれない。
イギリス、韓国ともに、世界でうごめく潮流が垣間見えるニュースであると思う。
(画像は写真ACから引用しています)
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