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新大西洋憲章の歴史的意味を分かりやすくザックリと考えてみる

2021年6月、このような驚くべき報道があった。

これは歴史の転換点となるような重大な出来事だと思うけれど、報道されたっきり、言及するコメンテーターをほとんど見かけないように思う。

大丈夫だろうか?

歴史は転換点を迎え、新たな時代が訪れようとしている日本は、その時代に乗り遅れないだろうか?特に(全員ではないが)多くの国会議員や財界人の言動を見ていると、本当に心配になる。

という思いを込めて、ここに書きとどめておく。かく偉そうに言う私は何の影響力もない単なる素人の政治経済ウォッチャーです、すいませんw

大西洋憲章とは?

新大西洋憲章とは、文字通り「新しい」大西洋憲章である。新大西洋憲章を理解するために、まずはもともとの大西洋憲章をみてみよう。

もともとの大西洋憲章とは、第二次世界大戦下の1941年8月にイギリスのチャーチル首相とアメリカのルーズベルト大統領がまとめた領土の不拡大や民族自決などの原則であり、その後の国連の創設につながることになる。

まず、この時点でいろいろとツッコミどころ満載だと思うので、まずはこの大西洋憲章について少し考察してみたいと思う。

第一に、1941年8月という時期。これは、イギリスがドイツと交戦し、大苦戦を強いられている時期である。アメリカは参戦していない。日本が真珠湾攻撃を行うのはこの4か月後である。

そういったタイミングで、イギリスとアメリカが既に戦後秩序について相談をしていた!?

劣勢のイギリスが、未参戦のアメリカと談合し、後の国連創設につながる構想をぶち上げていたというのは、今から振り返ってみれば驚くべきことだ。こういう先見性や戦略性は、日本人にはなかなか見られない。さすがに19世紀と20世紀の世界覇権国といったところだ・・・

第二に、領土不拡大・民族自決・・・だと!?さんざん植民地支配を行ってきた、お前らが言うか?(おまいう)の極みだが、こういった図々しさも日本人には欠けているところかも知れない。

それはともかく、当時はヒトラー率いるドイツが世界制覇するのではないかという恐怖心があり、またスターリン率いるソ連が世界共産革命を目指しているという恐ろしい時代、帝国主義の筆頭格であったイギリス・アメリカが「それよりはマシだよね」というのを宣伝する意味もあったのではないかと思われる。

まあ、大西洋憲章のツッコミどころはいったん脇に置いておいて、ドイツに対して劣勢の時代に結ばれた協定が、第二次世界大戦後の世界秩序を作る基礎となったことを無視するべきではない。

新大西洋憲章の長期的意味

では、今回2021年(ちょうど80年後)の新大西洋憲章にはどのような意味があるだろうか?

これは、長年世界を支配してきた米英による大西洋憲章のアップデートであり、新世界秩序の構築のための宣言だと思われる。

ざっくりというと、数年後に新・国連が作られる可能性すらあるということだ。日本のかじ取りをしているリーダーたちは、この可能性を頭の隅に少しでも入れているだろうか?これを考慮に入れているのと入れていないのとで、大きなビジネスチャンスを得るのか失うのかの岐路になる局面がやってくると懸念している。

勝ちグループ」に入るか、「負けグループ」に入るかの瀬戸際だ。振り分けられるときは、望む望まないに関わらずやってくる。あなたは、どちらに入りたい?

しかし、平和を愛する日本人にとってみれば、「勝ち」「負け」「新国連?」・・・はにゃ??という感じではないだろうか。別に第二次大戦のような凄惨な戦闘は行われていないし、せいぜい米中貿易戦争ぐらいでしょ?何大げさに言っているの??頭おかしいの???というのは当然の反応なのだと思う。

我々一般人はそれでもいいと思う。けれども、国会議員や官僚、大企業リーダーなどのいわゆるエリート層がそれでは困る。そう、我々庶民が大変困るのだ。

平和を愛する日本人から見れは、世界は平穏に平常運転しているように思えるけれども、現在世界では民主主義VS権威主義(独裁主義)のバトルが戦闘以外のあらゆる階層で起こっていると言われる。日本人が思う以上に、ガチンコのバトルが起こっていると思った方が良い。そういう目で世界のニュースを見ると、今までと全然違って世界の流れが見えてくるのだと思う。少なくとも当ブログでは、そういう目で細々と気になった世界のニュースを分析している。

幸いなことに、日本は今のところ、新大西洋憲章をまとめた米英と同じグループにいる。このチャンスを生かすか殺すかは、国会議員や官僚、大企業リーダーなどのいわゆるエリート層が握っている。

新大西洋憲章の8項目

1.民主主義・法の支配・市民社会と独立報道機関への支援

2.国際協力・国際秩序・自由経済

3.国家主権・領土保全・平和的な紛争解決

4.テレワーク推進・新市場の開放・研究投資

5.サイバー脅威への集団安保・NATOの核同盟・テロ取締り

6.持続可能な世界経済の構築・金融の安定性と透明性の強化

7.気候危機

8.公衆衛生の強化

特に重要だと思ったものを太字にした。日本の各界のリーダーたちの適切なかじ取りを望む。

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