Edge of KSC - 北野太一さん ~建築士プログラム~ 【総合政策学部(・建築学部)】
今回は総合政策学部の建築士プログラムを履修している北野太一さんに取材を行い、実際に建築士プログラムを履修している視点からの「関学 建築」の深層に迫ってゆきたいと思います。
※ 関西学院大学 総合政策学部 は2021年度4月よりリニューアルを行います。本取材の回答は2021年度3月以前のカリキュラムに基づくものであるため、2021年度4月(リニューアル)以降の科目名や内容とは異なるものがある場合がございます。あらかじめご了承ください。
【目次】
Q1. 建築士プログラムを履修したきっかけ
Q2. 建築士プログラムをとる過程での変化
Q3. 大変さ(他の活動との両立)
Q4. 魅力的な部分
Q5. 想像と実際とのギャップ
Q6. 関学建築の環境
Q7. 建築士プログラムと文系
Q8. 将来の研究・夢
Q9. 関学建築を考えている人・迷っている人に向けての一言
Q1. 建築士プログラムを履修したきっかけとは何でしょうか?
もともと、まちづくりに興味があって都市開発や沿線開発などといった「マクロな部分」を学んだり、研究をしたりしたかったんです。でも、建築といった「ミクロな部分」にも精通しておいた方がより深く「マクロな部分」と関わってゆけると思い、建築士プログラムを履修しました。
あと、建築家にならなかったとしても、この建築士プログラムで得た知見は将来に活かすことができると思ったのもありますね。例えば、地域開発を考える時や自身の家を買う時などで活かせると思います。
Q2. 建築士プログラムをとる過程の中で何か自身に変化はありましたか?
やはり、建築物を日常で見るたびに、「どのような構造や素材などが用いられているのか」などといったその建築物にある背景や中身を考えるようになりました。また、ものの見方も変わりましたね。例えば、家具などを見るスケール観は変わりました。
そして、意外かもしれませんが、発表会では、頑張って作った課題(模型など)のコンセプトやアピールポイントなどといった様々なことを数分のみで分かりやすく、効果的に発表しないといけないので、プレゼンテーション能力も上がったと思います。
Q3. 正直言って大変(忙しい)ですか? アルバイトや他の活動との両立は?
忙しいです!大学に泊まり込みで模型作りをしなければなりません。また、課題が終了するまで、ずっと頭で作品のことを考えなければなりません。なので、やはり好きでやる方がいいと思います。
アルバイトとの両立は不可能ではないとは思います。ただ、アルバイトもやるとなるとプライベートな時間はかなり限定されます。模型発表前はかなり追い込まれるのできついかもしれません。寝れないですね。(笑)
2年の秋学期の時間割はこのような感じでした(下図)。例えば、金曜日であれば、8:00に起きて、オンライン授業を受けて、三田に向かって課題について考えて、15:00から建築設計演習を受けます。この建築設計演習は時間割上では18:30までですが、実際は19:30頃までやることが多いです。そこからサークルがあり、21:00頃に学校を出て、23:30頃に帰宅します。
※ 本時間割は一例です。全ての科目において、年度や個人によって授業時間が異なる場合があります。また、学則の変更や総合政策学部のリニューアルなどに伴い、科目や科目名称、内容、時間割、カリキュラム等に変更が生じる可能性があります。
Q4. 魅力的な部分はありますか?
ソーシャルイシュ―(社会課題)や時代背景を踏まえた建築だという部分だと思います。例えば、コロナでテレワークをする人が増えましたが、テレワークをするための書斎スペースが家に必要となってくるかもしれません。そういった、社会課題・時代背景に基づいた建築を考えます。
また、先生と先輩との距離が近いです。そのため、気づきや驚きが得られます。例えば、先生からはゾーニング(パブリックな部分とプライベートな部分の切り分け)についてのアドバイスをもらい、作品に反映しました。
そしてやはり、時間をかけたり、苦労して課題をやり遂げた分、やりがいがすごいです!
建築以外にも、建築士プログラムは少人数なのでみんなと顔見知りになれますね。建築士プログラムを履修していなければ、関わりを持てなかった人もたくさんいます。また、少人数という環境の中、みんなが共通したことをやっているから楽しいですし、CADや一般構造、構造力学などの進捗状況の共有もできて、自分だけの環境に閉じこもることはありません。
そして、総合政策という特性上、広く深く学ぶことができ、建築だけといった専門分野にとらわれることなく、社会学や情報学など様々な分野から社会の仕組みを知って考えることができ、多角総合的に建築というものに向き合っていけます。
Q5. 建築士プログラムについて、想像と実際とのギャップはありましたか?
受動的ではダメだということですね。建築家には説明責任が必要だと先生もよく言っていますが、受動的になって反論できなければその説明責任を果たしていないことになります。説明責任を果たせなければ、建築家の土俵から降りることを意味するのです。なので、受動的ではなく、能動的にならなければならないのです。だからこそ、先生は厳しい意見やアドバイスを与えてくるのかもしれませんね。
Q.6 関学建築の環境はどのように感じておりますか?
成長し続けている感じです。特に不自由なこともなく、新しく建築学部ができたことにも納得する感じです。
また、「三田」という環境も非常に魅力的です。自然豊かでニュータウンもあり、土地の区画や道路網もしっかり整備されており、建築と向き合っていく上では良好な環境だと思います。感覚的・体感的な魅力なので、ぜひ一度来て、感じてみてください。(笑)
Q7. やはり、総合政策って文系のイメージがあります。文系の人でもついてゆけるのでしょうか?
全然ついていけると思います。ただ、「構造力学」はしっかり理解しないと厳しいかもしれないですね。でも、普通に勉強すればできないことは全然ないと思います。
特に高校で理系/文系だからとかは、関係なく履修できます。建築分野は計算などの数学系ばかりではないので、理系だから特段有利という訳でもないと思います。
P.S. 総合政策学部では、「建築数理の基礎」といった建築分野に関わる数学の授業が用意されており、1年次に履修することが可能です。
Q8. 将来や研究はどのように考えていますか?
私は、都市開発や交通、駅前再開発といった「マクロな部分」に関心があるので(前述)、鉄道会社の駅前再開発の仕事に携わりたいです。
なので、特に建築士になりたい!という訳ではないのですが、捨てきれないのでまずは2級の建築士資格を取れるよう勉強しようと思っています。自分の家は建てててみたいと思ったりしています。(笑)
研究については、「開発や回遊性の観点から、中之島エリアを茶屋町のように、梅田からの人の流れを呼び込めないか」について研究したいと考えています。
Q9. 関学建築を考えている人・迷っている人に向けて一言お願いします。
半端な気持ちであれば、大変なので厳しいかもしれませんが、興味があるのであれば、建築のさわりの部分を体験できる「設計製図演習Ⅰ*」を受けてみて、その過程(スケッチや立方体の模型作りなど)で適性を判断してみるといいと思います!
文理の壁に違和感を感じている人に向けて:関学には総政があります。文理問わず広く深く学べます!ぜひ来てみてください!
*「設計製図演習Ⅰ」は、2021年度4月の総合政策学部のリニューアルに伴い、科目名や内容が変更されます。また、カリキュラムや制度にも変更が生じます。
※ご意見やご感想などがあれば、Twitterアカウント「これぞ関学」のダイレクトメッセージ(DM)を通じてご連絡ください。
(返信にはお時間がかかる場合がございます。予めご了承ください。)
【取材・編集:藤井 和(総合政策学部 都市政策学科)】
【被取材者】
北野 太一 さん(総合政策学部 都市政策学科)
・三田市総合計画パートナーズ
・三田セバスチャン構想
・都市研究会
・47都道府県訪問制覇
<関連リンク>
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