ハンナ・アレント(Pさん)

 ハンナ・アレントの本を読み始めた。
 最初に『政治の約束』を読み始めたけど、あまりに哲学的に純粋だと、哲学に寄り過ぎだと思ってちょっと敬遠していた。
 しかし、世評を見ていると、無視が出来ない。
 角度を変えて、『人間の条件』も買って、それから読み進めている。
 驚くことに、というか、もはや驚かないほど頻繁に出てくるのだが、そこではやはり、核開発と人間の関係という事が描かれている。
 もう、ナチスドイツ、冷戦、それらを経た、哲学、思想というものから、この核兵器とか原子力発電とかいうもののリスクとは離れられないものなのだと思った。
 よく、「〇〇が人生を決定的に変えた」という言い回しがあるけれども、核開発と環境破壊、ナチスによる大量虐殺という事実は、人類というものの人生を完全に不可逆に変えてしまい、もうそれ以外のことは全く考えられなくなった、とでもいうかのようだ。
 朝起きて、核開発、昼飯を食いながらナチス、ナチス、夜寝る前に環境破壊、大量虐殺、とこんな具合である。
 生きていくというのは、そんなにつらいことなのだろうか。
 希望はどこにあるのか? ちゃんと見ていきたい。

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