料理三昧(Pさん)
今日は連休の二日目で、一日中、久しぶりの腰を据えた料理を作っていた。
第一弾は、昼に作った、一味加えたカレー。
正直、今日の料理は、同じユーチューブの動画シリーズに影響されて作った。今年夏あたりに投稿されていた、テレビの「情熱大陸」の、LITEと銘打って、いわゆる「こだわりの料理人」が紹介する、家でもできる、簡単だけど工夫の入った料理の作り方の動画である。
一般に、「時短レシピ」だとか、そういうのはツイッターやユーチューブなど眺めていると、度々目にするものだが、何というのだろう、もともと本気の料理を作っている人が、そこから降りるようにして家庭で作れる料理を考案するというのは、また一味違う。
前者が、成績ナンバーワンの学生が作ったロボットだとすると、後者がエンジニアが、ありあわせの材料で作れるロボットを考案したというところ。
例え話はおくとして、料理人が、家庭にある具材と調理器具で作れるものを考案したとき、その解答が、ものすごくシンプルなものになる。
冒頭に戻って、昼はカレーを作ったのだが、そのほとんどは、ジャワカレーのルーを使った、鶏肉のカレーという、いたってシンプルなメニューである。しかし、いくつか工夫している点があり、ただ一つ具材を加えることによって、味に劇的な変化が起こっている。
その詳細は、動画を見てほしい。
昼にこれを作って、やはり味の違いに度肝を抜かれたが、同時に、この動画で説明している、「下から上へ」という鉄則、これをあまり深く考えなかったことによって、肝心のスパイスが下にたまってしまって、掬うときに大きく味が偏ってしまって、料理人の言うことは聞くべきだと思った。
それから、午後にさらに具材を買い出しして、夜には同じ「情熱大陸LITE」のシリーズである、飯田商店というラーメン屋? の店主の、ごくごくシンプルなラーメンの作り方というのを参考にして、ラーメンを作った。
ラーメンの、スープを作るのである。
ラーメンは、スープが命だと言われている。
最初にこの動画を見て、このシリーズを知った。この、具材のシンプルさに、本当に舌を巻いた。それでいて、本気のラーメンである。
具材は、スープの出汁まで含めて、鶏ひき肉、昆布、塩、ネギ、麺、ラード、とこれだけである。
実際に作ってみた。スープというのは、知らなかったけれども、あの仕込まれた状態のスープというのは、塩味が全くない。途中で味見をしたときに、少し薄いのでは? と思ってしまった。しかし、丼に5gの塩をまいて、スープを入れてかき回した時に、急激に、パズルが組みあがるかのように、急に鶏塩ラーメンの店のスープの味になった。あれは、革命的な経験だった。もしかしたら、もう二度とあれほどの「組み合わさった!」と思う経験はないかもしれない。
繰り返しになるが、料理人というのが、窮極的に行きつく先であるシンプルさというのは、本当に、何というか、舌を巻く。こんな風に、簡単に公開してはいけないのではないか? とすら思う。
やる気のある人は、ぜひ全く動画の通りに作ってみて味わってほしい。
蛇足で、今日ちょうど家の炊飯器が壊れたという事があって、その食材の買い出しの際に、そこそこの性能のある炊飯器を買って、家でごはんを炊いて、卵かけご飯にして食った。これにも、感動した。これから毎日この圧力IH炊飯器でごはんを炊き、卵かけご飯を食うかもしれない。