昨年の9月に採取し天日干しして保管しておいたイタヤカエデの枝葉で染めた
採取した時点で染めたときには黒に近い緑茶だったが
乾燥・保管後の染料ではどのような色が出るか分からなかったので試染
絹は緑が濃いオリーブ色、葛は緑がかったグレーとなった
乾燥して保管できる染料は本当に有難い。濃い色に染まりホッとして本番の糸を染めたら 絹が全然違う色になって驚いた
不思議なのだが 葛は試染と同じ色 でも絹に染まった色はそもそもの色の質が違う 絹の糸に含まれる何かしらの成分の違いかもしれないし、自作の媒染剤の質の違いかもしれない
何にしても求めていた色と違い丸一日落ち込む 想定していた帯地のプランも多少変更した
何か、イタヤカエデに翻弄されているというか 戒められているというか 何かを教わっているというか とても不思議な気持ち 「イタヤカエデ先生」と呼びたくなってきた
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因みに昨年、採取してすぐに染液を取り染めたときにはこのような色になった
その時の事はブログも書いている
(参考)「イタヤカエデ・ゲンノショウコに想う」
この時は虫こぶばかりついた葉を用いたので、そのせいで濃く染まったかもしれない
微妙な色味を写真に写すのが難しく 直射日光の下で撮るのが実際の色に一番近かったのでそうしたが、それでも完全に再現できていない
いづれにしても、出会って間もないイタヤカエデ
今後も検証を重ねていきたいと思う
葛が緑ベースの色味に染まるのも珍しい
染料としたイタヤカエデはうちの庭に勝手に生えているものだ
山からタネが飛んできて毎年どこかしらで発芽する
大事にしたい
(2020.5.15記)