胸のしこりを取るまで。(2)
いつの間にか大きくなっていたしこりを取るべく
土曜日に確定診断(細胞の病理診断)のため
近所で名医とされるお医者さんがいる病院に行ってきた。
とても人気の名医で4-5ヶ月は待つという話だったが
メールをして取れた予約が週末だったので拍子抜け。
はて、これは噂や口コミがウソなのか?
新型コロナウィルス のせいなのか?
何とも判断つかないタイミングで病院に行くことになったもんだ。
でもまぁ病院自体がガラガラだから、新型コロナウィルスの影響だろう。
早めについて待つこと30分。
時間通りに診察室に案内された。
写真で見るより細く、冷たい印象の名医。
入室後、特に挨拶もなく持参したデータを見たあと、
おもむろに検査をするか否かの質問をしてくる。
「うーん、急に大きくなったし、境目もギザギザしてるから
葉状腫瘍なんじゃないかなぁ?そう思ったから検査した病院でも
取るの進められたんじゃない?前の先生には何って聞いてたの?」
私がしこりに対して無知なのもよくないが、
前医には良性にしこりが大きくなってるから、紹介状書くわね。
と言われただけだったので、胸にあるそれは
一体何なのかを聞くつもりでむしろここに来たのだ。
名医に会う前にかろうじて繊維腺腫と葉状腫瘍について知ったくらいだ。
その名医は基本的に自分から聞かないと伝えない、よく言えば寡黙な、
悪く言えば何も説明しない医師だなと思った。
淡々とした話し方、合理的でシステマチックな考え方。
悪くはないが、正直安心してこの人におっぱい切ってもらおう!
とは思えなかった。
多分、
「悪いものを完璧に取って、生存する。」
という病院にかかる究極のところにこの先生はいるのだと思う。
心のケアはできないけど、ある意味では名医なのかもしれない。
(実際に先生を支持する人が止まないのだ。)
以前の病院で、針生検はやったのでマンモトームをやるかと思ったが、
針生検の吸引式というものを私は行った。
部分麻酔を打ち(これが痛い)、エコーしながら
おっぱいをもぞもぞ針で刺し、バチンバチンと音をたてて採取していく。
何度か音がしたあと、以前やった針生検ではなかった位、止血した。
体感で5-7分くらい、先生が脇の下を圧迫。
腕が痺れてしまったほどに。
悪性じゃないと良いなぁと思いながら、ただ
葉状腫瘍は手術で切除して病理に出すと悪性だったということもあるようで
どっちにしろ手術時にはマージンを取ってしっかり切除をしたいと思う。
「2週間後に結果を聞きに来てください。」と病院スタッフに言われ、
帰宅。
改めて名医を思い出すと今日の名医はやっぱり何だか
冷たい印象だったなぁ。
あったかいおっぱいをあの冷たい目をした
ロボットみたいな名医に切ってもらうのは、
何だか冷たい気持ちになった。
気づいた時にはもう他の病院の情報を調べていた。
その夜、馴染みの店に行くとその名医に切ってもらったという
友人に出くわした。
名医について掘り下げて話を聞くと
名医は名医だし、腕も良いが、創傷がよくないという。
(早く言ってよ。笑)
その子はキレイだったが他の友人の評判がすこぶる悪い。
乳がんのおっぱい再建友達はもうみんな転院して
再建の得意な病院に行ってるそうな。
(早く言ってよ。笑)
と思いつつも、全摘した友人の心ははかり知れないわけで
こうやって飲みながら情報交換ができるのは
本当にありがたいなと心から思う。
世の中の病院や医者の情報は、あるようで
明確な情報など意外とない。
そりゃ医者も人間だもの、全て色々書かれたら
たまったもんじゃないよね。
ということで私はもう少し人間っぽい話ができる先生を探すべく
確定診断後は別の病院にお世話になろうと思う。
とは言え探しすぎても腫瘍が大きくなるだけなので
次に良い先生に会えることを信じて!
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