聴いた曲を紹介する日記(2023年6月9日)第90回:七英雄バトル(ロマンシングサ・ガ2)/伊藤賢治
七英雄バトル(ロマンシングサ・ガ2)/伊藤賢治
自分の趣味嗜好の根幹の方向性を思春期に決定づけて、大人になってもひきずるほどの影響を与えた存在、音楽では「YMO」、アニメでは「新世紀エヴァンゲリオン」と来て、ゲームでは「ロマサガシリーズ、特に2」ということになると思う。
攻略的にはある程度の理想解はあるものの、プレイヤーが攻略するエリアをかなり自由に決めることができるフリーシナリオシステム、レベルの概念の無いキャラクターの成長システム、戦闘中に新たな技を閃く閃きシステムと、敵の技を見切ることで無効化できる見切りシステム、閃いた技、見切った技、開発した術を後世に伝えることで、後世の人間は初めから技や術を使える王位継承システム、雑魚戦もボス戦も気が抜けない絶妙な戦闘バランス……ロマンシングサガ2はサガシリーズで後に搭載される連携システムはまだ存在しないものの、個人的にはずっとマイ・ベスト・RPGとして君臨し続けている存在(一部追加要素のあるリマスターは出たけど、連携システムやその他後のシリーズで採用された新システムを採用したフルリメイク、今でも待ってる)。
「技の見切り」がゲームシステムとしてだけでなく、物語の根幹要素としてきちんと機能しているのも何気に凄い。
ゲーム最序盤、プレイヤーが最初に操作することになる初代皇帝が、自らの命を賭して息子に敵の技の見切りを継承、伝承する展開は、大人になってから見るとめちゃくちゃせつない。
「七英雄バトル」は、プレイヤーの前に立ちふさがる、かつて世界を救ったとされる七英雄と呼ばれる7人との戦闘で流れる曲。
ゲーム中では断片的にしか語られず後に補足された設定や情報もあるが、七英雄にもまた、それぞれ戦う理由があり、ただただプレイヤー=正義、七英雄=悪という単純な構図というわけでもない点が、曲でもせつなさを感じるメロディとハーモニーで表現されていると思う。