9月24日、25日
9月24日
午前10時半に、近くの動物病院へ向かう。今日はそこでトレーナーさんとモネのしつけ相談。
モネはこの一年、マンション内やマンションの周りで、犬、人、自転車をみるなり、ぐんっとリードを引っ張って二足歩行になり、吠えまくるようになってしまった。モネが車道に飛び出さないよう、こちらも腕にぐっと力を込めて「モネ!」と何度呼び掛けても興奮が酷くて収まらない。交通量の多い時間帯は、モネの興奮はいよいよ強くなり、休む暇なく右へ左へリードを引っ張り、吠えまくるヨーヨーと化す。自分で勉強した知識を総動員してなんとか試行錯誤していたのだけど、特に私が六月に自殺未遂してから吠えが悪化し手に負えなくなった。必死に体を硬らせて吠えまくるモネを見てると、不安で怖くて仕方ないのだろう。散歩のたびに感じてる恐怖をなんとかしてあげたくてこの度トレーナーさんに相談することにしたのだった。
初めてのトレーナーさんだったけど、教室内でモネのボディランゲージを教えてくださったり、実際に外で歩いてみてモネがどういうところで不安になるか細かく観察し教えてくださりとてもよかった。トレーナーは当たりはずれが大きい。この度も正直あまり期待していなかったのだけど今回は「大当たり」だ。
トレーナーさんと話している間、ずっとモネは私の膝で丸くなって眠ってた。膝のモネの体温を感じ撫でながら話していると、一人で人と話している時よりずっと心が緩んでリラックスして話すことができる。もしかしたらモネは膝が安心だからここにいるのではなくて、私を安心させるために膝にいるのかもしれない。
次回からノーズワークという鼻を使うゲームをしていく予定。犬はほとんど目が見えないから鼻がうまく使えてないとどんどん不安感が増してしまう。だから鼻を使うゲームをして鼻のスイッチが入るようにしてやる必要がある。ノーズワークを続けていると、怖がりな犬や攻撃性のある犬がどんどん穏やかになるという話を実際によく聞く。
先日犬のトレーニングセミナーで興味深いことを聞いた。
犬の後ろ足と、鼻の経絡は繋がっていて、後ろ足がしっかりしていないと鼻も使えなくなり怖がったり吠えたりといったいわゆる問題行動が出てしまうらしい。
最近、私はフェルデンクライスのお陰で、足腰がしっかりしてきた。二本足でちゃんと「立つ」ことができてから、小さい頃から漫然と感じていた焦燥感、得体の知れない不安感が薄くなってきているのを感じる。また腹筋は足の筋肉と繋がっていて、腹筋を十分に使うためには足の筋肉とのつながりができないと無理らしい。どんな動物であれ後ろ足がしっかりすることは、腹が据わることと繋がるのではないか。
9月25日
体中の痛みが朝から強い。午前、痛み止めの点滴へ。今週はこれで2回目だ。
せっかく点滴を打ったのにあまり効かず、帰り道、気だるい体を引きずりながら、込み合う地下鉄に乗り込む。土曜日だからかやたら人が多く、駅に着くたびに車内の密度が増してきて、圧縮されていつか消えてしまいそうな気分になってくる。密になればなるほど、体の奥へ奥へ疲労が染み込み出してくる。一旦染み込んだ疲労は帰ってベッドに横になってもなかなか抜けてくれず、一日中、身体中を亀の子だわしで擦られているような痛みが続く。
痛いとあの日のことが私を包みそうになるから、モネの服を編む。手を動かしてる限りはあの恐怖は私に追いついてこない。裾の部分をひと段落編んでから、手で触れてみると、一つ一つの編み目は涙を蓄え、とてもしっとりした出来栄えだった。
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