公園に「インクルーシブ」というアイデアを
インクルーシブな遊び場の配慮と工夫とは
今年3月にオープンした豊川公園のこども広場(愛知県豊川市)。障がいのあるなしに関わらず「子どもたちがみんな一緒に楽しむ」ことができるという遊具広場だ。
敷地に入ると、まず床がゴム製の柔らかい素材となっていることに気が付く、子どもたちが安全に遊べる上、車いすに乗っている状態でも入りやすいという。
子どもの目を惹くカラーで、一見すると普通に見える遊具は、さまざまな配慮と工夫が施されている。
遊具や広場全体のカラーは、色覚に障がいのある子どもが、認識しやすい色へ配慮されている。さらに自閉症等のメンタルに不安を抱える子どもにとっても安心感が得られやすいとされるブルー系が多い。
次に広場の中心に置かれた大型の遊具を利用してみると、スロープ部分が広いことが分かる。これは、車いすに乗ったまま遊具を楽しむことができる上、健常者とのすれ違いが可能な広さだ。遊具の途中に設けられた踊り場では、車いすを回転させて向きを変えることができる。
次に、公園でお馴染みのブランコは、見慣れないサポート器具付きだ。これは姿勢を保つことがむずしい子も安心して「揺れる」体験ができる遊具で、大人が後ろから揺らす時も押しやすいよう設計されている。もちろん、健常者が乗っても楽しい。
所々に穴の空いたドームは、子どもたちから人気の遊具らしい。登って隠れて遊ぶために行列ができるのだとか。この遊具は、賑やかな遊び場から離れて、ゆっくりと一人の時間を楽しむ「隠れ家」としての機能がある。
自治体が注目する「インクルーシブな遊び場」づくり
そもそも「インクルーシブ」は、包括的なという意味で、障がいのある人もない人も、分けずに包み込もうという概念である。
ある調査によると、全体の1割程度の子どもが、一般の公園の遊具では思うように遊べていないという。これは、身体障がいに加え、精神障がいなど、あらゆる状況があると推測される。
こうした中で、インクルーシブな遊び場づくりという考え方が、アメリカで発祥して、今では東京都でつくられた全国初の事例以来、全国の自治体へと広がり始めている。
刈谷市において「インクルーシブな遊び場」は実現するか
現時点で刈谷市では、インクルーシブを明確にした公園整備は行われていない。
私が、令和3年9月刈谷市議会定例会の建設委員会で、その取り組み状況について質問をしたところ、当局は「様々な方法により、全国的な動向や取り組み状況について、情報収集に努めております。」と回答した。
その後の打合せ等の状況から見ても、実際に事例のあった現地を確認する等、調査が行われているようだ。
現在、刈谷市では、5つの主要な公園(洲原公園、岩が池公園、総合運動公園、亀城公園、フローラルガーデンよさみ)の魅力を高めようと、地域住民を交えたワークショップを開くなどして、将来構想を策定中である。
公園運営において民間をさらに活用する方向へと進みそうであるが、そうした中でニーズが高いと判断されれば、インクルーシブな遊び場づくりも実現するだろう。
公園におけるバリアフリー、障がい児への配慮といった考えは、各自治体において独自で考える必要がある。刈谷市では、愛知県が定める「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」を推進しているが、子どもが使う遊具等に明確な基準はない。
今後、安心安全な刈谷市で、地域の子どもたちが、健やかに育つための一つの考えとして「インクルーシブ」をさらに広げたい。
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記事は「常体(だ・である調)」を用いているため、やや強めの印象に見えますが、事実と意思を明確に伝えるためです。ご了承くださいm(_ _)m
刈谷市議会議員 くずはら祐季 お問い合わせはメールにて。
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