クズ人生5〜スクールアイドル?〜
夏歩ちゃんとの曲作りは楽しかった。
二人で案を出し合い、モーニング娘の曲もいっぱい聴いていろんな案を出し合いほぼ毎日どちらかの家でピアノに向かっていた。
その時間はかけがえが無く、まるでこのまま自分は夏歩ちゃんと付き合えるんじゃないかとまで思っていた。
そして、二人で努力して1ヶ月かかりで曲が完成したのだ。
時間はかかったが頑張ったし、夏歩ちゃんと一緒に過ごした時間は楽しかった。(夏歩ちゃんのピアノの先生にも手伝ってもらった)
そして、できた曲を私が弾いて夏歩ちゃんが歌ってカセットテープに録音して学校に持っていった。
若干期間が空いたので、忘れかけていた子もいたが聞いてもらうと大好評だった。
そして、その事で私のプロデュースの才能があるのでは無いかという噂がまことしやかに広まってしまう。
最初はこの遊びが数人のクラスの女子から始まったものがクラスの女子全員になり隣のクラスの女子までが噂を聞きつけそれはさながらその規模は現代のアニメのスクールアイドルだった。
こうなってくると私の手腕もエセプロデューサーでは成り立たなくなってきてしまった。
そのころちょうどモーニング娘もユニットを沢山組み始めた時期だったので、全体の詩も考えながらユニットの詩も考えようなどと考えていた。
だが、私の頭に汚い考えが浮かんだ。
「これだけ周りに女子がいるんだから夏歩ちゃんだけじゃなく選り取り見取りなんじゃないか?」
馬鹿だった。
またも自分の愚かな行いによりこの一番の擬似モテ期から転落してしまう。
ある日僕はこの放課後モーニング娘同好会に参加していた全女子に伝えた。
「今日から僕と一緒にいっぱい遊んだり、一緒に帰ってくれたら新しいユニットに入れてあげるよ」
はい、気持ち悪い。
一か八かの賭けだったが、小学生女子の仲間外れにされたくないという同調圧力というものは凄かった。
100%納得していたのは数人だったのかもしれないが全員がそれを受け入れた。
それからというものの休み時間は誰かしら周りに女子が居たり、給食のおかずをこっそり渡してきたりしてきた子もいた。
帰り道も5〜6人の女子と帰っていた。
もちろん、たまにはその中に夏歩ちゃんも居た。
そう、たまにだけだった。
そんななかで有頂天になっていバカプロデューサーはまるで王になったかのような気分で毎日を過ごした。
たまには詩も書いたが夏歩ちゃんと曲を作るなんて事はなかった。
そんな馬鹿プロデューサー、いやこの場合は裸の王様とでも言うべきだろうか。
怠惰な生活を送っていたクズ野郎に天罰が降り始める。
今回はここまでにしよう。
思い出したら一番楽しい思い出かもしれない。
だが、調子に乗りすぎである。
浮足だったものは、足下を救われる、、