海灯祭の雑記1
原神のイベントの話をしていく。
海灯祭というゲーム内イベントが現在開催されている。
このカイトウサイはいわゆる旧正月をモチーフにしており、原神では毎年この時期に開催される大きなイベントである。
これは原神というゲームがもともと大陸のゲームであるということに加えて、この主人子たちが立つ国がリーユエという中国をモチーフになっているためだろう。
この海灯祭は原神の中でも数少ない季節感のあるイベントだ。
ソシャゲというものはイベントが稼ぎ時なので、年末年始、バレンタイン、夏、ハロウィン、冬休みと天手古舞にさせられることはみなさんご存じのことと思うが、昨今の大陸ゲームはこの限りではない。
これは運営の方針の違いによるところだと思う。例えばゲームの世界観を大事にしたい。極力現実世界から離れた設定を盛り込み、時間軸を独立させたいという方針であるならば、必然現実のイベントというものは排斥されいていく。でなければ何故そんなことをしなければならないのかつじつまが合わなくなるからだ。FGOなどもそのジレンマを抱えている。主人公たちの緊迫した状況や残された時間や資源とは裏腹にもう何度も夏イベや冬イベを迎えている。本編の息抜きと言われればそうだが、本当に本編に関係ないし、話もイベントに合わせた突拍子もないものが多くなってきているのは正直個人的につらい部分がある。
話はそれたが、原神では原神内の世界観を重要視していて好感が持てる。そして海灯祭はそれから外れた季節行事なのだが、この祭りがおこなわれるリーユエという国が中国をモチーフにしているがゆえに難なくゲーム内に取り込めているというわけだ。素晴らしい。ストーリーとしては伝統的なお祭りの出し物を主人公たちが各々手伝い、大団円に導くという王道的なものだ。
で、ここからがちょっと話したいことなんだけど。
昨今のこの手のオープンワールドにありがちだが、本当に細やかな心遣いがなされている。
セリフもそうだが、キャラクターがひとたびしゃべり始めればそのシーンは目まぐるしく変化していき、アニメを見ているような気さえする。しゃべりに合わせて口が追従するリップシンクと呼ばれる技術も精度が上がってきていて、まるで気にならない。
このガミンとのオープニングシーン一つとってもそうだ。
主人公たちとガミンが出会い、話しているだけだが、主人公側に大きな影が落ちておりその奥の明るい祭りの街並みとの間に抜け感が生まれ、とても見やすい構図となっている。
ガミンのはつらつとした明るさと、町の活気を描き出した見事なシーンだといえる。
ちょっとまえはローカライズに甘い部分があり、日本語の意味も通りにくい部分が見受けられたが、最近はそれも改善されつつある。
さらに驚いたのは、NPCへの気配りである。よくあるゲームのNPCは本当に雑な扱いを受ける。絵柄がしょうもなかったり、大本のメインキャラからかなり乖離したデザインになっていて、雰囲気をぶち壊しがちだ。それが最近改善しつつある。いや、もともと割とよかったものがさらに良くなってきているのだ。NPCの衣装やセリフの質が向上しただけでなく、ストーリー上重要な立ち位置のキャラには特異な意匠が多く用いられるようになってきたのである。
これがこのイベントの間ずっとこの感じで続くのだ。
正気の沙汰ではない。どうなってんのマジで。
こういう細やかでパワーのある仕事をするべきだ。シーンごとに上から俯瞰する担当者がいるのだろう。
またプレイヤーからのアンケートに対する反応速度もかなり速い。これはこれで別の担当が分析などしている気配を感じる。
マジですごい。
ゲームはやるべきだ。