夏日に消え行く
夏休み引きこもり生活二日目にして、精神的な限界を感じた。昨日の今ごろ、明日はここにこうやって、誰とこういう約束をして、と考えていた。
そうやって予定立てていたこの時刻、洗濯物を干して、暑すぎ無理、とクーラーに当たっている。
こうなると深海はこうだとか、宇宙はああだとか、涼しいことに考えを巡らす。でもそうやって難しい式をたててみても検算をしてくれるような知り合いはいない。そもそもそんな式を立てられない。
そうしている内に私の威風堂々たるノーチラス号が浅瀬で逡巡しているのを見た。回転寿司に行きたくなった。
よくよく見やると海草がスクリューに巻き込まれ、回転が鈍っているようだった。私は指でノーチラスの梁材に触れてみた。そしてこの金属の中を流れる生命を感じた。発動機の力が金属のなかに穏やかな流れを伝え、その冷たさを天鵞絨の肉に変えた。焼き肉も食べたいと思った。
洗濯物を干そうとして、マンションのベランダに出たとき、足元をエアコンの室外機の排水が伝っているのに気がついた。
この水は夏の間、確実に建物の腐食に貢献するだろうと思った。それくらい、室内との温度差が激しかった。
長い文章を書くときは、分割しなくては書けない。まず集中が他の物事をしている時より持続しないので物書きになるにはあと四億年かかるなと思いつつ、本を読む。
最近は、レポート終わりの反動からかSF物しか読まない。海に行きたいな、曲を書かなきゃな、色々終わらせなきゃな。
「生きろ、そなたは美しい」とか言われてえよ!アシタカに!
良いホラー映画って確実に精神削り取ってくるよね。家のちょっとの隙間の暗闇が大きく見えてくるような。そんな感覚にさせてくれるよね。なんの利点もないけどその感覚に。
お腹空いたからどっか行ってこよ。