くゆり
学校の文芸部で書いた作品を掲載しています。各作品の製作制限時間は10分です。さあ、続きを書きましょう。
それぞれに繋がりは無いのかも知れません。 それらを集めたものです。
乾いた薪をくべる頻度とその適切さに裏付けられた焰の強さを私は知っている。 弾ける音、揺れる煙に紛れて誰かが錆び付いた画材に隠してきた情熱を投げ入れたこと。 そして君は一月の残り火のよう。瞬きを繰り返す悲しみを讃え、彗星を抱き続ける。 生彩を欠いた水彩の精彩を描いた彗星を。
自分から話すことは今後一切無いと思うし、誰にも自分から言ったことなんてないことだけど僕は左目が義眼なんだ。生まれ年は97、定義の上ではZ世代だがそうではないと感じてる。かといってミレニアル世代でもないという類いのなんとなくの疎外感を持ち合わせた年。涼しかったらしい初夏に生まれた僕の左目は生まれつき病気だった。だから僕の眼が最初に見た景色はなんだったかとか最後に見た景色はなんだったか、わからないよ。 僕の性格がこんな風になってしまったのはガラスの虹彩からの景色があまりにも薄情
確かにその日の気分によってバンプの最高アルバムは?って問いへの答えは変わる気はしてるんですが、今日はコスモナウトです。 このアルバムの中にはbeautiful gliderとイノセントとか言うガチ名曲があります。全曲名曲だと言う異論も大いに認めますが、今はこの二曲が自分の中で強いので今回は異論は異論です。 確かあのアルバムの二年後くらいにGolden gliderっていうアリーナツアーがあって行った思い出があります。DVDも買いました。その時のセトリに多く入っていた
北風吹き荒ぶ、師走の京の都。夜空には煌々と満月が輝き、多くの人々が同じ暖炉、否、同じ炬燵で各々の団欒を満喫せんとする年の瀬のある日のことである。 下鴨神社裏手の冷たい樹木の洞で、稚拙さとイノセンスを履き違えたまま大学四回生にまであがってしまった男が顔を赤くしたまま踞っていた。 我々はこの男を哀れな若者と呼ぶべきか、神武以来底無しの阿呆と呼ぶべきか。暫し推考せねばなるまい。なぜならば男の手が確と握っていたのは古ぼけた一冊の本であったからだ。贈答用のリボンが付いた包装紙
夕景は、毎日違った温度を持って現れる。人肌より熱いときもあれば、雪より冷たい日もある。閉園が決まった遊園地の最後の夏休み、私が訪れた遊園地で見た夕景は、あふれかえった人のはしゃぐ声やあまい焼き菓子やポップコーンの香りが混ざって熱っぽい温度を伴っていた。 それに気付いたのは年期の入ったメリーゴーランドでユニコーンの背中に乗った時だった。三拍子の簡単な旋律に合わせて回りつづけるメリーゴーランドは誰かの人生のようだとある人が昔言っていた。 三周位してその人は容易く死んでい
静謐に隠された夜のガラス植物園は妖精達の格好の遊び場となっていた。彼らにとっての祝祭の日の夜のこと。見知らぬ一人の人間が植物園にやってきた。管理人のカンディリ爺さん以外の人間を真夜中の園で見かけたことが無かった妖精達は慌てて、隠れてその人間の様子を朱ガラスのゼラニウムの陰から伺った。人間は爺さんが気に入っていた黒いベンチに座ると月の光を吸い込んだ花木達に呟いた。 「お祖父様は亡くなったわ。私はカンディリの孫。お祖父様から夜のガラス園には妖精たちが現れると昔から聴いていたわ。兄
ある高名な画家が死んだ。 晩年の個展では、作品が完成年別、古い順に並べられた。 廊下の最後は星系の洞に落とされた羚羊を描いた作品だった。水彩で描かれた宇宙は、足元が揺れ動くような色彩で中央の生き物の強い眼差しは私をそこに釘付けにさせた。 多くの人が足を止め、同じ数の人が素通りしていった。私は閉館するまでその絵を眺めた。 なぜ画家はあの作品を最後に描いたのか。私には少しだけ分かってしまうような気分になるのが悲しかった。
彼女の家族はおかしいやつらばっかりでさ 自分もそうなるんじゃないかって毎晩考えてるっぽい 毎度俺が思いつかないようなことをやってのける 彼女には姉が居るんだ 俺が好きだった人で ちょっと言えないようなことをしてくれる 同じ風邪を引くのはそういうことだよ 全部言わせんなよ 分かってほしいことはさ もう全部決めてるってこと 今じゃないってだけ 言いたいこともある 何が言いたいか分かるって? じゃあわかるよな 一緒になる
コロナの間、隙間時間皆様何してましたか。 わたしは将棋してました。 私の場合生活のほとんどが隙間時間みたいなものだったのでつまりずっとスマホで将棋してたんですよ。本当に。22歳になってはじめてプロを意識しましたがもう遅いようです。 そんなこんなで本当に永遠と将棋をしていたんですが、二ヶ月くらい前から目を閉じてもずっと駒が動き続けている感覚に陥ってしまっていて。まぶたの裏で動いてるんですよほんとに。何も考えなくても勝手に動くし、次は相手の駒動かさ
ほどほどの音量でブラックサバス聴きながらセックスしてえなって唐突に考えて、眠れなくなったわい。 今はどんな朝かっていうと雨が降っててそれでも外は明るい。雨降りの朝で今日も会えないやなんとなく。この窓の外の色何て言うかわかんない。わかるような気もする。こんな色のアップライトピアノが欲しい。 ラジオの最高なところは、このファッキンだるいなかで不意にスターフィッシュが流れてくるとこだね。今もう五時だし、星は見えないけど。最高だね。もう終わっちゃったけど。 高1く
実家からレタスが届きました。このところ、外出自粛のムードに乗っかって丁寧な暮らし、丁寧な飲酒、丁寧な◯◯の写真をのせて発信するのが流行っているようです。お母さん。 ですので私も届いたレタスの葉を一枚一枚丁寧に洗い、まな板に並べます。葉に住んでいた虫や汚れを丁寧に洗い流したレタスは水分を含み、初夏の澄んだせせらぎのことを思い出させます。御影石を滑るようにして沢を下り、友達の家に言ったこと。ふわりと恋をしたこと。 透き通ったイノセンスが葉脈の一つ一つを渡って伝わってきま
わいも曲投稿しようかな。インスト
倫理や常識なんて所詮、人が考え出したものなんだからきっとろくなもんじゃないんだろうね 等という言葉。 この糸井重里風の優しげな呟きが心につっかかっていて、少し考える。 まず、常識や倫理について。 人が考え出したか、どうか。どうでもいいわ!倫理や常識なんて普遍的ではないし、時代や環境や世相、疑われることによってによっていいように変わるだろう。それが正しい在り方でもあると思う。 寛容で誰もがハッピー。そうなるためだけに改善されていく考え方を常識や倫理と呼びた
ギターは死ぬ。 死に方はたくさんあるんだろうけど、自分のギターは状態がピークの時と比べて音や手に伝わってくる感触が、衰えた。原因はベッドから立ち上がったとき転んでスタンドに立てていたギターと一緒に倒れこんでネックに少しだけひびをいれてしまったことだった。 次の日、弾いていて左手に伝わってくる振動が半減したことに気づいた。次の月、直しても直してもネックが動いて弦高が高くなってしまうことに気づいた。寿命を縮めちゃったんだと感じた。 5年と2ヶ月くらい経ってたと思う
note継続のためのnoteってすごい不思議な存在だよな
大学生って思ってたより忙しいんだなって思うこの頃です。 年末は家に帰って弟とスマブラしまくって、気づけば今。 リップヴァンウィンクルみたいな気分よウェンズデー。 いや、ちょくちょく書いてたんよ実は。 映画やら書きかけの小説やらなにやらと。縦書きのフォーマットのサイトで書いてみたりとか色々してたらさ。もうこんな時間。 なんだか気に入らなくて全部捨てて。安心してたら全部忘れてしまったよウェンズデー。 みたいなこと延々と書いては消して年始の映画スペシャル最高