親子編 78回目 八拾

さて、この国籍不選択による国籍喪失ですが、

前回の国籍留保届の未届による国籍喪失の時と

同様、届出人による責任ではないのに、届出が

できなかった場合。

ということがあります。

その場合の救済措置も定められています。

国籍法15条第3項

ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由

によってその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合に

おいて、その選択をすることができるに至った時から、2週間以内に

これをしたときは、この限りではない。

また出てきました。

「その責めに帰することができない事由」

よく出てきます。

帰責事由⇒届出人の責任ではないのにできなかった場合ですね。

これも、前回同様、

できるようになった時から2週間以内届出をしたときには、

国籍喪失にはならない。ということです。

ですので、やはり、できるのにしない。というのは、

権利の行使という性質上認められません。

実際の判断事例においても、

前回の場合同様の判断がされると思います。

「知らない」からとか、「遠かった」とか「忘れた」とか

そういった理由は、本人の責任の部分が大きいですから

やっぱり認められない可能性が高いです。

しかも、今回は、催促の書類、官報に掲載ということまで

やっていますから、そのうえで「あえて」選択しない、

もしくは「選択そのものをしない」

というものに対して

責任が及ばないレベルの特別な事情がある。

といえることですから、かなりハードルの高い理由が

必要になると思われます。

ですから、
届出は速やかに行うようにしましょう。