養子縁組編 84回目 八拾六
日本人と外国籍の方と結婚をし、
「嫡出子」「非嫡出子」であれ出産し、
子供として養育監護していく場合であれば、
前回のように、その基準となる法律は子供の
法律です。
しかし、子供が「嫡出子」「嫡出でない子」
以外の形で、夫婦の子供となった場合は、
どのように考えていけばいいでしょうか。
つまり、夫婦の一方との間に血縁上のつながりがない
(婚姻中、婚姻以外での出生ではない状態)で
親子関係が生じる制度を「養子縁組」といいます。
日本人Aさんと外国籍Bさんが、結婚した際、
外国籍Bさんに子供がいた場合、つまり連れ子が
いた場合。
逆に日本人Aさんに子供がいた場合、
もしくは、両方に子供がいた場合など、
血縁上以外の子供がいた状態で結婚をした場合です。
養子縁組といっても、これも各国の文化、歴史、風土
宗教、政治などなど様々な要素が絡んでいろいろな
制度があります。
もちろん、日本では認められることでも、外国法に
おいては認められない場合や、
その逆も当然にあります。
前回までの認知や嫡出子よりも、
さらに複雑になっていきます。
これらの手続きも相続の場面では
非常に重要性が増してきます。
さらに、いわゆる再婚の場合は、連れ子、実子等の
関係もあります。
複雑になればなるほど身分関係における整理は、
一個ずつに分解してそれらを精査していくしかありません。
一段ずつ整理していき、最後に全体として整合性を持たせる
わけですが、そこでも各国の法律が違う部分が浮き彫りに
なります。
大人でこれだけ複雑な権利関係が生じるので、
その当事者たる子供はさらに大変です。
しかし、人生大きくかかわる部分でもありますので
根気よく問題に向き合っていかざる負えません。
それが渉外戸籍に共通する部分です。