養子縁組編 85回目 八拾七

養子縁組の基準となる法律を判断する場合

養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法に

よる。この場合において、養子となるべき者の本国法によれば

その者もしくは第三者の承諾もしくは同意又は公的機関の許可

その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは

その要件をもみたさなければならない

(通則法31条)

また、長くなってきました。

ややこしいものは大体長い条文になるというのが私の中の

通説です。

一個ずついきましょう。

・養子縁組における基準となる法律は「養親」の本国法です。

養子が生活の本拠となりえるのが養親の元であるならば、

より生活実態に即した法律を適用したほうが良いことになります。

そのため、「養親」の本国になっています。

つまり、再婚であるならば、相手方の本国法ということです。

・ただし、いくら生活の本拠とはいえ、子供がそこで生活する

ことには変わりません、そのため、養子の本国法にセーフガード

条項(保護要件)があれば、当然それも満たしていなければいけない

ことになります。

その保護要件において「第三者の承諾や同意、公的機関の許可等の

処分があればそれもしなければいけない」

ということです。

親族や、代理人などの承諾や同意、裁判所や行政機関の許可など

も当然取得しなければ養子縁組が成立しないわけです。

それらの条件は、あくまでも「養子の本国法」を基準にしています。

養子縁組は「養親の本国法」が基準になりますから、

もし、養親の本国法において「養子縁組」が禁止、養子縁組がない。

法制の場合は、日本においては、養子縁組はできないということに

なります。

宗教の理由から養子を禁止している国もあります。

また、養子の数や、養子の年齢、養親子間の年齢差や、血縁関係の有無、

その親等の違いや、夫婦共同縁組の義務や、単独の可否、取り消しや無効

主張の有無など様々な制限や幅に制限を設けている国もあります

ですので、当然、養親の本国法においてそいった制限があるようであれば

その条件を満たしていなければ、日本においての養子縁組は

できないことになります。