親子編 41回目 四拾参

「嫡出子」「嫡出でない子」

「嫡出でない子」に関しては、事実主義と認知主義がありました。

子供はいつ生まれようが、自分の子供というのは

親心としてはわかるのですが、それだけでは現実が

進まないのも事実です。

それだけ、様々な場面で問題が発生するがゆえに

多くの事例を積み上げなけれないけないというジレンマも

あります。

それが「準正」です。

発音は同じですが「純正」ではありません。

「準正」です。

この制度も「嫡出でない子」のための制度です

準正は民法に定められている制度です。

「「嫡出でない子」について生まれた後に「嫡出子」

になることができる」という制度です。

ややこしいですね。

(だったら最初から嫡出子にすればいいのではないか?)

という疑問も出てくるかと思います。

男女の仲における連綿と続く やもめ話。

それは枚挙にいとまなく、

あらゆるパターンの問題が太古の昔より

歴史の変遷の中で出ています。

そして、やはり、その騒動の中で一番困難な

結果を受けるのが子供なのです。

「子の福祉」という部分と、

両親の身分行為との調整する点を

もうけるために先人たちが知恵を絞った結果ともいえます。

準正にも2つのパターンがあります。

2パターンの見極めは、時間軸での区別になります。

時間軸の分かれ目は、「婚姻時」にあります。

(法律上の「婚姻」は、結婚式のことではありません。

これは何度も書くほど重要なことです。

なかなか慣れないと思いますが、要注意ポイントです。)

①条件⇒「婚姻準正」

「婚姻前」

⑴「妊娠(懐胎)」⇒⑵「出生(出産)」この時点で出生届(認知届)
⇒⑶「婚姻」ここで婚姻届

つまり、結婚前に子供が出来て、出産、その後に結婚した場合です。

原則的には、婚姻後に妊娠して出産というパターンではないので、

「嫡出でない子」なるわけですが、この原則を厳格に運用してしまうと、

現実の運用の中では「嫡出でない子」に該当する子供があまりに

多く存在してしまうので一連の流れの中でも、出生した子供と、

親との間の親子関係は嫡出子として扱っても問題ないのではないか?

ということで、婚姻前に生まれた子供を、結婚後に認知することを

認めその限りにおいて「嫡出子」として扱うということになりました。

②条件⇒「認知準正」

⑴「妊娠(懐胎)⇒⑵「出産(出生)」認知届は届出。この時点では出生届は出さない

⇒⑶「婚姻」ここで婚姻届⇒⑷出生届を届出

これも前半は同じですが、出産をしたあとに、結婚をしてから、

出生届を出すというパターンです。

どちらも「出生届」「認知届」「婚姻届」は必須です。

この2つを確実に届出をしないと、「嫡出でない子」は、

「嫡出子」として扱われません。