原因に言及できない話

学者の先生の著作らしく、どちらかというと研究論文的な内容が多い感じです。経済的な部分をほりさげるというより、業界全体の問題点や深い部分にも言及しているため、幅を広げすぎて、焦点がぼやけてしまっている感じがします。おそらくもっと専門的な部分も多かったような感じがしますが、そこは編集段階においてわかりやすさを優先し、かみ砕いた文章に変えているような印象を受けるので一般的には読みやすいとは思います。ただ、闇深い部分が、業界の低迷、時代への柔軟性をなくして、衰退の一途を招いている主因になっているのは他の斜陽業界でもおなじなので、その部分に切り込めばそれだけで一冊の本が出来上がるとは思うのですが、需要があるかどうかは不明です。ただ、個人的にはそういった部分に焦点を当てている方が、書店で見たときに食指は動きます。