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【ラピッド方式のススメ】ドイツ語編

ラピッド方式のメリットについて -実際の経験に基づいた話-

小澤 幸夫 名誉教授(経営学部 ドイツ語)

 2023年の3月まで神奈川大学の専任としてドイツ語を教えておりました小澤です。
 以下は私の経験を振り返りつつ、ラピッドコースのメリットについて述べたものです。長くなるかもしれませんが、最後までお読みいただければ幸いです。

写真はイメージです

Ⅰ.私自身のドイツ語学習・教育歴
 私が入学した学部では2外国語16単位が必修でした。私は英語ではなくドイツ語とフランス語を選択しました。当時の大学での英語教育は訳読中心だったので、予備校までで充分にそれは勉強したと思ったからです。これに対しドイツ語・フランス語は全く新しい外国であったわけで、それを勉強したのは今でも良かったと思っています。
 
 さて、ドイツ語は文法とリーダーをそれぞれ別の先生が教えてくださいました。これに対しフランス語は1人の先生が1冊の教科書で2コマ続けて進めていらっしゃいました。そのせいでフランス語はほとんど前期で文法を終了し、後期にはフランスの詩や歴史などを原文で読むことができるようになりました。

 大学院修士課程を修了するとともに非常勤講師として教壇に立つようになりましたが、その頃もまだ週2時間の授業を文法とリーダーという形で分けてやっていました。先生の少ない大学では、同じクラスを2時間続きで、最初の時間を文法、次の時間をリーダーというような形で担当したこともあります。

 大学院博士課程を修了してある国立大学に就職したのですが、そこではいろいろな経験をすることができました。
 まず始めは私自身が勉強したフランス語と同じように、週2回を同じドイツ語の教科書で自分が教えるという形です。結論を言えばこれがベストだと思っています。進度や理解度がきちんと把握でき、学生たちとのつながりも深くなるからです。
 二つ目は私1人で週2コマ担当するのですが、一つは文法、一つはリーダーという別々の教科書を使う形です。学生たちは熱心に勉強してくれるのですが、これは1番目の形に比べさほど効果があると思いませんでした。文法などで同じことを繰り返すことが何度もあるからです。
 さらに週1コマだけですが2年間同じクラスを受け持ったこともあります。1年文法を終え2年で簡単な読み物を勉強したのですが、学生たちはかなりよくついて来てくれました。余談ですが、週2コマ勉強して1年でやめてしまうよりは週1コマでも2年続けたほうがいいという実感があります。
 以上はすべて各学部の指示により、教養部に所属していた私たちはそれに従って学生を指導したという経緯があります。
 
 1995年に神奈川大学に赴任した時には、前任者の佐藤先生が週2コマ同じ教師が1冊の教科書を担当するという形をすでに導入されておりました。先にも述べたとおりこの形は一番良いと思われるのですが、専任の教員だけですべてを担当できない現状では、非常勤の先生方にも週2日出講して頂けなければ成り立たないという問題があります。これはなかなか難しい条件ですが、幸い当時の先生方はそれをしてくださっておりました。
 その後カリキュラムの改訂があり、この形式が成り立たなくなりましたかそれでも1つの教科書を2人の先生でリレー方式で進めるという形は継続してきました。この場合教える側としては緊密に連絡を取り合う必要があり先生方の手間が大変です。

Ⅱ.ラピッドコースのメリット
 1学期目では基本的な文法と表現の習得をします。初級Ⅰでは主に文法、初級Ⅱでは表現を中心に勉強します。特に最初はきちんと発音ができるように訓練します。英語に比べるとですが、やはり外国語ですから、最初に正しい発音を身につけておくことが大切です。できればⅠ、Ⅱの両方とも中級まで受講すると次のようなことになります。
 
 昨年の後期には希望者にドイツ語検定試験4級を受けてもらい、全員合格しました。ラピッドコースの効果の一つです。これに受かると資格として認定されるだけでなく、卒業に必要な単位にも充当できますが、それよりも自分が授業で習ったことがどの程度のレベルまで達しているかを知る上で価値があります。
 
 ラピッドコースとは直接関係がありませんが、2年目になると上級や特集外国語というものがあり、ネイティブの先生の授業もあります。今まで学習したことを活用し、応用していく中で、本当の表現力が身につきます。
 英語以外の外国語を勉強する機会は社会人になるとなかなかありません。どうかぜひこの機会を活用して一人でも多くの方に地域原稿を履修していただきたいと思っています。

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