桑田健人

1分で読めます。信号待ち、電車の待ち時間、トイレの時間などにぜひ。

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  • 歌詞

    歌詞にお困りのミュージシャンの方、ご連絡お待ちしております。

  • 井関 多加士の帰り道

最近の記事

ポリフェノール

君の好きな街は 僕の好きな街で 君の好きな店は 僕の好きの店だ 部屋の明かりはついたまま もうお昼だよ 出かけるけど今日は早めに帰るようにするよ 血のような 絵の具のような 紫だったんだ そう ポリフェノールたっぷりの大便だね 私の人生は あなたと違う道 私の生活は あなたと違うもの 明日の天気はわからぬまま 洗濯はしたよ 出かけるなら今日は朝まで帰ってこないで 血のような 絵の具のような 紫だったんだ そう ポリフェノールたっぷりの大便だね 血のような 絵の具のよ

    • 2000円払ってでも吸いたいタバコがここにはある(2016/02/18)

       「ほい」  路上でタバコを吸っていた男。  路上喫煙を取り締まる男に、すっと2,000円を差し出した。  その男は金山駅南口をずっとうろうろしていた。  スキップをしてみたり、コンビニに入ってみたり、ストレッチをしてみたり。  僕はその男をずっと見ていた。  人を待っていたのだ。 「2,000円取られてもいいや」  声が聞こえるような距離にはいなかったが、そう言った気がした。  胸ポケットからセブンスターを取り出し、帰宅ラッシュで多くの人が行き交う駅前の広場の中心で

      • 何が悲しくて、じゃない。何も悲しくない(2016/2/3)

         「何が悲しくてそんなに走ってるの?」  少し怒りながらそう言われた。  何も悲しくない。怒られる筋合いもない。  「ごめんなさい」  「いやいや、謝ってほしい訳じゃないの。何が悲しくてそんなに走ってるの、って聞いてるの」  趣味はランニングです、と言った数秒後にこんなにパニックになるとは思いもしなかった。  「走ったあと気持ちいいんです」  「でも走ってる時、しんどいじゃん?」  「ごめんなさい」  深いため息をついている。こっちのセリフ?  いや、こっちの息だ

        • あんなにオシッコが嫌いだったのに(2016/1/19)

           小学生の時、極力トイレに行かないようにしていた。オシッコをするのがおっくうでしょうがなかった。そんな時間があるなら、教室で友達と喋っていたかった。  膀胱をパンパンにして帰った。家に着いてから勢いよく用を足すのが好きだった。  あれから20年経ち、こまめにトイレに行く大人になった。成長したもんだ。  今日はご飯を食べる暇もないくらい忙しかった。そんな1日の終わりは、あれ?今日ってどっかで頭を激しく振ったっけ?と思うくらい脳みそが疲れている。何も考えられないほどである。

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          1本
        • 井関 多加士の帰り道
          4本

        記事

          ビールが水のように、ってこういう事か(2016/01/15)

          まっすぐ、まっすぐ、まっすぐ…  そう心の中で呟きながら、家まで歩く。 そうでもしないとゴミ捨て場に体ごと突っ込みかねないな、と思った。とても酒に酔っているのだ。  「華金」という言葉が死後だ、という流れのトークをテレビ番組で見たことがあるが、俺の周りでは割と使われている。  「今日電気ブランでも飲みに行かない?」  馴染みのない酒を一杯目に飲む、という不可解なポリシーを持つ武志からの連絡が入ったのが昼頃。前に飲んだ電気ブランという酒を気に入っていた。どんな味なのだろ

          ビールが水のように、ってこういう事か(2016/01/15)

          初詣の帰り道(2016/1/1)

           歩き疲れた帰り道。家までの道のりが途方もなく遠く感じる。  毎年、初詣は4日、5日頃に行っていた。  初夢もそのくらいに見ていた。  今年はいいスタートを切りたくて、生まれて初めて1日に初詣に行った。人の多さに驚いた。酒に酔っている人もいて、なんて罰当たりなやつだと思った。お参りの列に横入りするやつもいた。その上、願い事まで叶えてもらおうなんて大層めでたい。  俺は今年、やり遂げたいことがある。  会社で売上No.1になること。  今年7年目で社員30人ほどのベンチャー

          初詣の帰り道(2016/1/1)

          かち

           10万円の時計を買って怒られた。  3,000円のステーキを頼んで怒られた。  利益率10%の見積を取引先に出して怒られた。  1万円のコースは美味しくなかった。  経費で落ちるからお金はかかっていないのに 「ごちそうさまでした」と頭を下げられる。  帰り道、コンビニの前で飲んだビールが美味しかった。  家に帰ってから食べたカップラーメンが美味しかった。  10円のうまい棒はあれだけ美味しいのに。  僕はお金の価値がわからない。  物の価値がわからない。    子供の頃に

          旦那が私のエプロンで手を拭いた

           このエプロンは大学時代の友人から結婚祝いで貰ったもので、かれこれ10年ほど使っている。  可愛いエプロンを見つけても買うのを我慢してきた。つけられなくなるまで貰ったエプロンを使おうと決めていたから。  このエプロンをつけて私が作ったものを食べて、私たち夫婦は生きてきた。  旦那もこのエプロンには愛着があるはずだ。新婚の時なんかは下品なエプロンのつけ方をして2人で楽しんだりもした。  そのエプロンで旦那は手を拭いたのだ。とっさに私は旦那の首を両手で掴み、前後に振った。どうい

          旦那が私のエプロンで手を拭いた

          スランバー

          Gt&Voイェア斎藤、Baピィア水戸、Drヘンダーソンからなるスリーピースバンド。 ヘンダーソンが講師をしていた英会話教室に斎藤がと水戸が生徒として通っていた。すぐに意気投合し、2002年にバンド結成。 斎藤がよく授業中に居眠りをしていたことに由来し、浅い眠りを意味するスランバーをバンド名とした。 2005年、ミニアルバム『いい枕』でメジャーデビュー。2007年には『ハイポテンシャル』(映画『ポテンシャルガイ』主題歌)がスマッシュヒット。 若い世代を中心に人気を博す。

          スランバー

          最近禿げた?つかぬこと聞くけど

           「わからん」  子供の時の口癖だった。親は大変心配したそう。  「なんでだと思う?」  「どうする?」  子供の想像力に大人は関心があるから、この類の質問は子供へ向けられることが多い。それらの質問全てに「わからん」と返していた。  「なんで提出が遅れたのでしょうか」  取引先からの問いに私は口ごもってしまった。  あの時のように「わからん」と言うことが出来れば、どんなに楽だろう。  適切な言葉を探さなければいけないこんな時でも頭の中には「わからん」の文字が浮かぶ。

          最近禿げた?つかぬこと聞くけど

          山田、日々。

           パートの山田さんは不思議な人だ。  1番に出勤して、着替えた状態で体操をしている。  「私もこんなことやりたくないのよ」  何も聞いてないのにそう僕に言う。  パート初日になんとなく体操をしてしまってから、体操をしないと気が済まなくなってしまったそうだ。  トイレ掃除の時にはいつもトイレの神様を歌っている。  ♪トイレには〜それはそれは綺麗な〜女神様がおるんやで〜  ♪いるんやで〜、なのにな、と思うがちょうど伝えるのが野暮な言い間違いだ。気になるけど気にしたら負け

          山田、日々。

          【#2000字のドラマ】黄色いバラ

           この季節は日中に2回シャワー浴びたいなあ。  少しの沈黙の間にそんな事を思った。  「彼氏出来たんじゃないかなあって。英作は?」  「内定出たんじゃね?」  4年生になった俺たちの大事な話と言ったら、それしか思いつかなかった。  話したいことがある、と桃から連絡があり、 国道沿いにポツンとあるいつものファミレスに向かう。  「賭けますか」  満面の笑みでこちらを見ている。いつも何かにつけて賭け事をしようとする。  優大は学部内で1番目立つ男で、見境なく友達を作って

          【#2000字のドラマ】黄色いバラ

          精魂尽きて

           1週間の組み立てというのがなんとなくある。出張が続いた次の日は、1日オフィスでデスクワークをしたり、金曜はラストスパートのがむしゃらな動きが出来たり。  最近はこの組み立てが難しくなってきた。部下の同行、部下の書類確認、部下との会議。部下に合わせたスケジュールになる。  少し前に変わった部長は21時からの会議が好きだ。そうなると22時に寝る息子と話すことが出来ない。部長は子供が家を出てから、どうやら出来るだけ家に帰りたくないようだ。  とにかく自由に自分のやりたいことだ

          精魂尽きて

          すっぱい

           「しょっぱい」も「からい」も美味しい。  ただ「すっぱい」はどうだろう。  「あまい」も美味しい。  ただ「すっぱい」はどうだろう。  梅干しでご飯が食べられない。酸味のあるドレッシングも野菜が進まない。レモンは単体で食べられたもんじゃない。  酸っぱくて美味しいと思った事がない。私の中で酸っぱさは美味しさに繋がらないのだ。  しかし、甘酸っぱいはどうだろう。さくらんぼやキウイなどの甘酸っぱい食べ物は好きだ。酸っぱいだけとなると美味しさはない。  念願の野球観戦デ

          喫茶店ひえらるきー

           喫茶店に1人で過ごしている人の中で、ヒエラルキーがあるとするならば、パソコンを触ってる人が1番かっこいい。次に、本を読んでいる人か。  パソコンを触っている人はクリエイティブに見える。服装がカジュアルであればあるほどクリエイティブに見える。大人なのに私服、または金髪で仕事をしている人は選ばれた大人の証。スーツを着て堅苦しい見積作成、社内申請をしているのではなく、クリエイティブな脳みそを使って何かを生み出している様子が読み取れることが重要なのだ。  本を読んでいるというこ

          喫茶店ひえらるきー

          それだけの話なのだ

           先日、事業部で会社への改善提案を提出する際に、誰の案を採用するかを決める会議をおこなった。  「私は佐竹さんの社内システムにおける計上方法の簡易化に賛成です」  口火を切ったのは1年目の山下。怖いもの知らずで、真っ直ぐに意見を言う。  「俺もかなあ」  「この中なら佐竹さんの案を上げたいね」  中堅社員が続々と佐竹さんの案に賛成をする。  「いや、俺は須崎の自分の飲み物には名前を書いて冷蔵庫に入れる、が良いと思うけどな」  意見が決まりかけていた所で、思いがけな

          それだけの話なのだ