平方イコルスンについて
俺は自分のことを属性で語る人を見るのが苦手(見るのが苦手なだけで属性で語る人のことが概して苦手なわけではないし何なら俺も無自覚なら語ることはしばしばある)で、多くの人も俺と同様の感覚を有しているに違いないと考えているから、自覚的な表現としては、俺は◯◯な人間だ、といった物言いはできる限り避けるようにしているのだが、そういうポリシーなど投げ捨てても構わないくらいには、俺は平方イコルスンが好きな人間だ。
俺は平方イコルスンを読む人間であり、
平方イコルスンを高く評価する人間であり、
平方イコルスンを好むということが一定の属性として機能することを信じて疑わない人間である。
遅ればせながら『ふたりで木々を』を昨日読み、その思いを深めることになった。
俺が平方イコルスンを読んでいなければ、自分は平方イコルスンを読む者だ、などということを属性として語る人間には軽蔑と忌避の念を抱いたものであろうが、それでも俺は平方イコルスンを読む人間であると自称したい。とはいえ、私も平方イコルスンを読む人間ですと名乗り出る者と平方イコルスン談義に花を咲かせたいのかと問われると首を捻らざるを得ない。俺の思う平方イコルスンと彼の思う平方イコルスンはきっと異なるものだからだ。
平方イコルスンとは、そういう漫画家である。