珍しく社交的な活動をしました。【モノカキングダム2024】
こんな企画に参加してました。
たまたまこんな記事が目に留まりまして、
へー、そんな企画あるんだなあと。
詳しく見れば、誰でも参加可能で「こえ」をテーマにええ記事を書けと。
で、参加者同士で投票して、一番ええ記事を決めるぞと。
それで、興味を惹かれて参加してみたわけです。
さて、何を書こうかなー、と思案を巡らせる。俺は色んな文体を書くけれど、一番書いていて肌に合っていると感じるのは「ちょこあ~んぱん」とか「QRコード」のような、日常の些事を馬鹿みたいに仰々しく修飾するタイプの衒学風エッセイである。ただ、「ええ記事」を書かなくちゃいけないんだよなあ。「ちょこあ~んぱん」は俺が読んでめちゃくちゃ面白い記事ではあるんだけど、どう考えても「ええ記事」ではないんだよなー。うーむ。
「こえ」をガッツリ抽象化して、広く「言葉」くらいに広げてしまえば、いくらでも書くことはあるのだけれど、流石に音声要素は取り入れたい。音声、声、泣き声、鳴き声……ああ、あるな。
めちゃくちゃ強いエピソードがあるな。
ということで、「声の届く先」を書きました。
葛藤は結構あってですね。大切な家族の死を道具に耳目を集めようとする営みには、一般的な意味からも具体的な意味からも後ろめたさがつきまとうものです。でも、ドンの死を書くということは、必然的に母の中に保存された幼き俺の言葉も書くことになる。だとすると、その二つのエピソードを書くのに、「こえ」というテーマはこの上ない架橋として機能するのではないか。
まあそういうことを考えながら、ひとまずドンの死について書き始めたら、自然と涙が数滴落ちまして。ああ、これは嘘のない良い文章になるなあ、と思ってしまったので、これも何かの縁だろうと書き上げたわけです。
1000字〜2000字程度というレギュレーションの中で、2500字程使ってしまって多分違反スレスレなんですが、それでも後半が少し走ってしまったなあ。でも死を書くのに嘘にするわけにはいかないから、これ以上前半は削れないんだよなあ。いっそ前半だけにするかなあ、ともやもやしながら書き上げたところ、話の繋がりを評価してくださった方が何人もおられて嬉しい限りです。まあまあ「ええ記事」が書けたかなと。
さて、モノカキングダムですが、結局参加者は128名にのぼり、各自2票を「一番ええ記事」に投票するという形式で順位を決めるのですが、審査する側の気分というのは新鮮でした。面白いか否か、ええ記事か否か、くらいのざっくりした二分でいいなら簡単なのですが、2/128を選ぶとなると、決め手に欠けるもので、相当刺さらないと難しいなあと。内容がいくら良くても、最初数行で陳腐な文体だったら読む気無くすんだなと。色々と勉強になりました。別にこういう機会に恵まれなくても、普段noteで人の記事を読むときも、「今日読んだ20本のうちでベストを決めよう」とか一人遊びでやってみたら、書く側の能力も高まりそうだなあなどと考えたり。
それで、俺の順位なんですが、11票獲得で4位入賞という結果でした。
得票数は望外の結果。順位は想定外の結果。
128作に対して一人2票、共通点は「こえ」というテーマのみで、エッセイも小説も何でもあり。こりゃあ分散しまくるだろうから、10票ぐらいが優勝のラインでは?と考えていました。
だから、11票もいただけたのは望外。
でもその割に1位じゃなくて4位で予想外。
俺はそもそも自分の書いた文章が大好きで、素人の割にはまあまあ上手い文章を書くと思っているおめでたいナルシシストなので、何票かは入るだろうな、とは思っていましたが、俺と同じくらい俺の文章を評価してくれる人が11人もいるというのは単純に驚きで、大いに嬉しいことです。皆さん、ありがとうございます。
さらに嬉しいのは、たくさんコメントをいただいたことですね。偶々でしょうが、モノカキングダムとは全く別件でいくつかの記事でコメントのやり取りをすることも重なって、ああ、noteて他者とコミュニケーションとってもいい媒体やったんやなと気付かされました。
さらにさらに嬉しいのは、最終的に俺に投票してくださった方の多くは、「声の届く先」にコメントしていない人だということです。これは相当嬉しい。コメントには何も書かなくても、貴重な一票を投じるくらい俺の文章を密かに気に入ってた人がいたってことですね。
だとすると、全く言葉を交わしたこともないし、どこの誰とも全く知らないけれど、大概の記事にスキをくれる、あなたとかあなたとかあなたとかあなたとか……にも、俺の書いた文章がぶっ刺さってる可能性があるってことですね。これは嬉しい気づきじゃないの。
どこの馬の骨ともしれない風船顔の参加だったので優勝なんて全然考えてなかったんですが、4位という結果、1位と6票差、となると、ちょっと惜しい気がして欲が出てきますね。来年もまた開催されるなら、今度は「ちょこあ~んぱん」みたいな面白い記事で優勝を狙いたいです。
ていうか、久しぶりに読み直したら、やっぱりこれ面白すぎるから、モノカキングダムからきたよ、て人はぜひ読んでいってください。