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「キンタロー。のオールナイトニッポン0を見て、聞いて、僕が思ったことを書きます。」【9月24日(火)】

 キンタロー。のオールナイトニッポン0が面白かったです。

 キンタロー。といえば、前田敦子のモノマネを早期する人が多いと思いますが、最近では謎の芸風の幅の広がりを見せていて、「トゥームレイダー」のアンジェリーナ・ジョリーなどの定番ぽいモノマネから、ネットのおもちゃとして有名になった「港区女子」や「犬系彼女」の写実的モノマネ、マリオのドッスンや「シャイニング」のジャック・ニコルソンの顔真似といった変化球まで、多様かつ面妖な芸を見せていて、ネクストブレイクの兆しを見せています。

 キンタロー。が、今週の月曜日のオールナイトニッポン0に出演したのには、例の炎上騒ぎで一発レッドカード退場となったフワちゃんの代役レギュラーが決まっていないという事情があるのですが、芸人人生として千載一遇の好機を得た彼女は、得意のモノマネを次々と披露して、八面六臂ならぬ怪人百面相さながらの大活躍を見せていました。

 キンタロー。は、のっけからTVプロデューサーの佐久間宣行の誇張モノマネという、ノブロックTVの視聴者以外を完全に置き去りにする渾身の一芸を見せると、ついであのちゃんのハイクオリティモノマネを見せ、なるほど、オールナイトニッポン0の他の曜日のパーソナリティのモノマネで突っ走るのかと思わせるや否や、架空の女性ディスクジョッキーを演じるという友近のような芸を披露した後に、「磯野、野球しようぜ」のワンフレーズだけで半世紀もの間食っている中島くんのモノマネを見せるという、狂気じみたパフォーマンスを見せたのでした。

 キンタロー。は、ラジオ番組なのにイチナナでライブ映像が配信されるというオールナイトニッポン0という番組の特性を最大限利用し、音声コンテンツであるはずのラジオに顔芸を盛り込むという離れ業をやってのけたのでした。

 キンタロー。の悪意ある芸の数々に、僕は抱腹絶倒の思いで大いに楽しんだのですが、冒頭の佐久間宣行のモノマネだけは、あまりにも誇張が酷く、さすがにモノマネとは言い難いのではないかと小首を傾げる思いでした。

 キンタロー。のことはすきですが、俺はそれ以上に佐久間宣行というラジオパーソナリティのファンなので、そうした思いに駆られたのだろうと思っていたのですが、今日、今度はラジオの音声のみでキンタロー。の放送を聞き直してみると、昨日の夜映像で見ていたときに感じたものより、十倍ほど似ているように聴こえて驚きました。

 キンタロー。は女性ですから、実在の中年男性である佐久間宣行とは容姿の隔たりが大きく、彼の特徴を模して誇張してはいるものの、それはハリウッドザコシショウの芸に通ずるものがあり、視覚的にはまるでキンタロー。と佐久間宣行が似ていると感じることはてきません。

 キンタロー。の口調や発声は、しかしながら、佐久間宣行のそれを的確に捉えていたようで、映像という予断のタネを排除して音声だけを聞いてみると、思いの外、キンタロー。のオールナイトニッポン0は、佐久間宣行のオールナイトニッポン0でした。

 キンタロー。は我々がいかに感覚の王たる視覚に統御されて生活しているのかということを、悪意に満ちた佐久間宣行の誇張モノマネというニッチな芸により、僕に教えてくれたのでした。

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