バリアフリー設計に大切なこと
こんにちは。木のいえ設計室くわくわの巻京子です。
熊本に来てから参加させていただいているバリアフリーデザイン研究会は
26年前に、熊本市の設計士、白木 力(ちから)さんと現市議会議員の 村上 博さんなど、有志が集まって作られた任意団体です。
私は残念ながら、白木さんにお会いすることができませんでした。
すでに他界されていたからでした。今年、ちょうど十三回忌とのこと。
白木さんの奥さまにご案内いただいて、市内の車椅子利用のオーナーさんの住宅を見学させていただきました。
そして、住宅における白木さんのバリアフリーの考え方を知りました。
ご自身で運転もされる車椅子利用のオーナーさん。自立した暮らしをされています。子育ても仕事も、そして家事も。
洗濯場、浴室、キッチン、トイレなど、とても使いやすく設計されています。
何より、私が心に残ったのは、オーナーさんに白木さんのお話をうかがった時の言葉でした。
「白木さんは、始めに、私にどんな色が好き? と聞いてくれました。車椅子を利用していると機能、便利さのみをピックアップして対応をしようとする建築関係者が多い中、白木さんは違った。その言葉で白木さんにお任せしたい、と思いました。」
女性のオーナーさんらしい言葉なのかもしれません。
でも家を建てようとする時、新しい生活へのいろいろな夢、希望を持っている方が多いと思います。
それは車椅子利用者も、そうでない方も同じです。
真摯にオーナーさんの声を聞き、寄り添っていた白木さん。
見せていただいた住宅は、車椅子利用していない私も、ワクワクするようなお宅でした。お風呂場の可愛いタイルが今も目に浮かんできます。
ひとつひとつに工夫をこらし、色を考え、住む方のニーズを取り入れていました。
白木さんの功績は設計だけではありません。
熊本市との連携で、日本でもいち早く、低床バスの導入に力を尽くしてこられました。
「やさしい街づくり講座」を実施し、バリアフリーデザインアドバイザーの育成に努めました。
もちろんこれは、お一人でできたことではなく、会としての活動ですが、
事務局長として、会を牽引されておられたからこその結果だと思います。
他界されてから12年。
今も、バリアフリーデザイン研究会は活動を続けています。
熊本地震後の市内の商店街視察、公共施設のバリアフリー化についての意見交換会参加・アドバイスなど、熊本がどんな人にもやさしい街になるために。
これまでの知見、知識などを、若い建築家や医療、介護関係、行政の方に橋渡しをしたい、と願っています。興味を持っていただけると嬉しいです。
私も、積極的に車椅子利用の方、障害を持つ方、ご高齢の方のために、ワクワクして生活できる家づくり、お手伝いしていきたいと思っています!
白木さんの想い、繋ぎたいです!
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