古い家、買う前に!!
こんにちは。木のいえ設計室くわくわの巻 京子です。
熊本の阿蘇に移住して早8年の月日が経ちました。永住するかどうかは不明な時に、住んでいた貸し家の近くに、売りに出ていた古い家を購入し、リフォームし、現在に至ります。
田舎町ですが、アパート、貸し家はそれなりのコストがかかりますので、8年間の賃料を考えれば、十分元は取れた、と思っています。
何人かがこの家を見て、これはだめだ、と思った、と聞きました。きっと、イメージが持てなかったせいだと思います。私の場合は、売り地の看板が出ていたこの家を見て、ピン!ときました。
中を見せてもらい、これならここをこう変えて、キッチンをここにして、という風に、具体的に自分が暮らしている姿が見えました。
リフォームについてはこちらのnote記事に写真付きで書いていますのでご覧ください。
工事は自分で出来るので、問題は汲み取り式のトイレを水洗に変えること、給排水を変えることでした。近くの電気水道工事業者さんを紹介していただいたおかげで、今でも困ったことがあると、すぐに来て面倒を見てくれます。ありがたいことです。
さて、古い家を買おうと思う時、何を見て決める?素人さんが気づきにくい所を今回は書いてみたいと思います。
1)敷地は大丈夫? 2)築何年? 3)屋根の状態は? 4)家の中はカビ臭くない? 5)自分が住んでいるイメージがわきますか?
1)敷地は大丈夫?
●道路より低い土地はやめた方が良い。・・・どうしても湿度が高くなります。大雨、洪水の際にも影響を受けやすいということも。
●山が迫っている、川のすぐそばなどはやめた方が良い。・・・大規模災害が増えている地球の状況を考えると、これらの場所は後悔の元になる可能性があります。
●近くに高圧電柱や携帯の基地局が立っている場所は避けた方が良い。・・健康に暮らすための家。出来るだけ危険性のある場所は避けた方が良いでしょう。
●敷地の所有関係を確認しましょう。・・・借地や、抵当に入っている敷地ではあとあと面倒が起こります。法務局で確認できます。
2)築何年?
●古民家、と呼ばれる築100年などの家の場合は却って使用している材料が大きいので構造的な問題がない場合もあります。ただし、シロアリの問題、腐食の問題はありますので確認を。安価でつい購入したにも関わらず、リフォームの段階でとんでもない費用がかかって困った、という事例を知っています。
●昭和56年以前の古家は、耐震の規制がありませんでした。構造的に不安がある場合は、ぜひ専門家にご相談を!
3)屋根の状態は?
リフォーム済みで、見た目が綺麗な室内でも、雨漏りがあるようではすぐに問題が起きます。屋根工事は大きな出費の可能性も。
●屋根の材料が表面にいたみのない屋根瓦で、室内の天井にシミが出ていないのであれば、大丈夫かもしれません。瓦がずれていたり、割れている場合は補修が必要です。
●サビだらけの板金屋根なら、放っておくと雨漏りが始まるので、早期に塗装する、張り替えるなどの手当が必要です。
4)家の中はカビ臭くない?
押入れの状態。畳の状態。床の状態で床下のカビがどれくらいかある程度は想像がつきます。
断熱材が充分に入っていなかった古い家は、温度差による結露が原因のカビや、床下の通気が悪いためにカビが出ている場合もあります。カビ臭い、ということはシロアリの害がある、もしくはあった可能性も。シロアリ駆除済みは、健康のためには危険です。敷地の立地も影響します。風通しが良いか?山が迫っていないか?確認が必要です。
5)自分が住んでいるイメージが湧きますか?
どんなに立派な古家でも、広すぎたり、交通が不便だったり、なんとなくもの寂しい場所だったり。せっかく手に入れても、すぐに手放すようなことにならないように。
コツコツとご自分でリフォームする、大工さんに依頼する、方法はいろいろです。でも何より大事なのは、その家にニコニコして暮らしているご自分がイメージできるかどうかだと思います。
ここ数年前から、自治体が斡旋する空き家バンクが増えています。リフォームする際、自治体からの助成金がでる場合もあります。その際、リフォームはその自治体に居住する業者であること、という条件があります。しかし、特別な理由がある場合には他の地域の業者でも可能である、というお話も自治体の方から聞いています。
自然素材にこだわってリフォームしたい、シックハウスが心配、アレルギーがあるから特別な配慮が必要という場合には、他地域業者でも助成金がでる場合もあります。ぜひ、くわくわにご相談ください。自治体への問い合わせから、手続きまでお受けします。
せっかく購入する家。安全に健康に暮らしていただきたいから。
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