わたしの一曲/Electric Lady Land
今日は炎上した西武・そごうの元旦新聞広告について、わたしの思うところを書く予定だったのだけれど、子どもの習い事に付き合ったりなんだりしたら思いのほか疲れてしまったのでノート3日目にしてストックから記事を放出したい。
以下は、勤務する会社のWebサイトで社員持ち回りで担当するエッセイとして書いたもの。
テーマはズバリ「わたしの一曲」。
分かる人に分かってもらえればいいか、という自己満足以外のなにものでもないのだけれど、ある時期の自分を表現したセルフポートレートにはなっていると思う。
湖のほとりに住んでいた頃、私はよく京都に行った。
新快速が停まらない最寄駅から電車に揺られて1時間。
五重塔がある有名なお寺の向かいにあった映画館、
見たいセレクトショップがだいたいあった藤井大丸、
ジュンク堂の脇を入った路地にぽつりとある古着屋。
京都には私をわくわくさせる場所がたくさんあった。
中でもひときわ楽しく、何度も行ったのがメトロだ。
その店の入り口は、京阪鴨東線(地下鉄)丸太町駅の
2番出口の階段を地上に上がる途中の踊り場にある。
重い扉を開けると、大音量の音楽があふれてくる。
小さなフロアの奥、一段高くなった場所にDJブース、
左手にはポアラ付きのボトルが並ぶカウンター。
さてさて、長い長い前置きはこの辺りにするとして。
私の1曲はこの店で定期的にイベントを開いていたDJ、
Fantastic Plastic Machineが1998年に発売したアルバムから「Electric Lady Land」を挙げたい。
軟弱で薄っぺら。馬鹿げてて騒々しくて愛らしい。
こんな曲たちを「Happy Charm Fool Dance Music」というのを知ってから、そんなCDばかり買っていた。
京都で地下鉄に乗ったら、明け方の渋谷に着いた、みたいな、私の世界をぐっと広げてくれたような、狭めたような。そんな私の思い出の1曲で、ルーツみたいな1曲として。
本文は以上。
冒頭に出てくる映画館(みなみ会館)は建物の老朽化で休館中だというし、京阪丸太町駅は今は神宮丸太町駅というらしい。
はぁ、歳とるわけだ。