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宮部みゆき 「長い長い殺人」 読了

こんばんは、ジニーです。

今年も読書を楽しんでおります。
今回は宮部みゆきさんの「長い長い殺人」を読みました。
またしても、ですが、宮部みゆきさん初めてでございます。
ずっと、読みたいな、やっぱ読まなきゃだよな、なんて思いながらなかなか読む本を決められずにいましたが、ようやく本作品でデビューいたしました。

■手に取ったきっかけは背表紙のあらすじ

大体小説の背表紙って簡単なあらすじがあるじゃないですか?
荒れに目を通していたら、本作の面白い設定に目が留まり、購入を決めました。

その面白い設定とは、財布目線の語り部というところです。
本作は一つの事件をいくつかの短編の省に分けて繋いだ連作長編小説です。
それぞれの章で主人公が変わるのですが、その人物の語り部ではなく、その人物が所有する財布が物語を語るのです。

■意外な主人公で語られる物語

これが読み始めてみると、意外と面白い。
財布ということで、いろいろと成約も出てくるのです。
基本ポケットや鞄に入っているので、聞こえてくる音や会話が中心に語られたり、家に帰ると所定の位置に置かれたり引き出しの中にしまわれたりするので、それ以降は情報が途絶えてしまうとか。

その制限が時にもどかしく、時に謎めいて、本作の一筋縄にはいかないミステリー性を深めていきます。

事件に関与した人物が何を見て、何を話したのか人物の思考ではなく、財布が聞き得た情報と財布の回想とで物語がどこに向かっているのかがいい塩梅でもどかしく進む。
次は、次はと確かめたくなる気持ちがページをめくる手を止めません。
完全に著者の思惑にはまってしまいましたね。
これはまさに、宮部みゆきさんの筆力があっての設定ですね。

全体的に悲しい物語ではありつつ、個人的に終わり方はよかったです。
人気のある作家さんだと、本作を通して改めて感じました。

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