似鳥 鶏 『叙述トリック短編集』 読書感想
こんにちは、ジニーです。
昨年読んだ本の溜まっていた読書感想が続きます。
今回は似鳥鶏さんの「叙述トリック短編集」。
タイトルの通り、叙述トリックにまつわる短編集です。
ここまであからさまなタイトルになると、騙されてたまるか!
と身構えて読んでしまいますが、大丈夫ですちゃんと騙されます。
至る所に伏線があり、面白く回収されていく。
そんな痛快なミステリーです。
■挑戦状から始まる本書、読者は挑戦者の気分
本書はまず、読者への挑戦状から始まります。
良いですね、そっちがその気ならこっちも本気で読みますよ。
しかし、こっちの本気をサラッと交わすかのように見事に騙してきます。
しかも面白おかしく。
叙述トリックと分かっていて読むというのはある意味二律背反する気持ちを抱えながら読むことになります。
騙されないぞと思うのですが、途中でトリックが分かってしまうと白けてしまう。
そういった捻くれた読者の思考もちゃんと汲んでくれてますので、なんか妙な爽快感を覚える読後感が味わえます。
■人が死ぬことのないミステリーだから読みやすさも抜群!
人が死ぬことのないミステリーなので、そういう小説が苦手な方にも読みやすいと思いますし、こういったバカミスは変にトリックを見破るような姿勢で臨まず、著者の軽やかな叙述トリックに手玉に取られるのを楽しむのもいいかもしれません。
なお、似鳥さんの作品はこの作品が初めてでしたが非常に読みやすく、クセになるところがあり、早速ほかの作品も買い集めました。
とある登場人物のクセのある行動というか、奇行というか。
ハマる人にはとてつもなくハマる作品だと思います。
とにかく、めっちゃ面白かったです!
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