今回の都知事選を振り返ろう(主に石丸陣営視点)

大熱狂の都知事選が終わりました。
石丸氏は2位に終わりました。
私は主にネットで石丸氏を追っていたのでその視点で振り返りをしてみようと思います。
まずは今回の都知事選を時系列に沿って振り返り、その後石丸陣営の戦略やそれらの評価についてまとめます。

石丸氏を中心とした大きなできごとの流れ

5/17 石丸氏立候補表明
5/27 蓮舫氏立候補表明
6/12 小池氏立候補表明 石丸氏政治活動開始
6/15 石丸氏と暇空氏が対談
6/17 石丸氏公約発表記者会見
6/18 蓮舫氏・小池氏公約発表記者会見
6/19 共同記者会見
6/20 公示・選挙活動開始 暇空氏出馬が明らかに
6/22 小池氏八丈島で初演説
6/24 公開討論会(ReHacq)
7/3  石丸氏恫喝名誉棄損裁判判決
7/7 投開票日

石丸氏に関するネット上でのネガティブな話題

筆者が主にX等を観測していた際に流れた話題をおおまかに時系列に沿って羅列します。
あくまで筆者自身の記憶と印象を参照しているので厳密には違うと思いますがご容赦ください。

告示前

・中国の工作員によって作られた人気である(再生数と高評価など)
・事前運動を行っている
・安芸高田市で何もしていない
・漫画好きは嘘でありニワカ⇒嘘つきであり信用ならない人物
・(選挙カーの駐車違反)

主に暇空氏が一方的に敵視しており様々な陰謀論や事前運動の話題が合わせて広まった。
石丸氏のことをあまり知らない著名人によるレッテル張りも目立った。
また、両氏の対談をきっかけにして、漫画好きは嘘・嘘つきというイメージが多く流された。

選挙期間前半

・中国のトレンドでランクインするので中国とのつながりがある
・ドトールの支援を受けている
・創価学会と繋がっている
・統一教会と繋がっている
・自民党と繋がっている
・維新と繋がっている
・○○が応援している
・上野千鶴子氏の弟子
・橋下徹氏のシンパ

石丸氏の選対組織やバックの繋がりに関する話題が多かった。
暇空氏からの流れで依然陰謀論的な話題が多く見受けられた。

選挙期間中盤

・安芸高田市時代の様々な切り抜き動画に基づく批判
・政治姿勢に関する対照表の捏造
・貸付金5000万円に対する批判

取材不足氏を発信源とした様々な切り取り動画をもとにした悪質な印象操作が多くみられた。

選挙期間終盤

・街頭演説における観衆の画像が工作によるもの
・パワハラ上司(シセイクラブとの意見聴取映像を箕輪氏が取り上げたことに由来)
・恫喝誹謗中傷裁判の敗訴
・統一教会や自民党とのつながり

切り抜きのなかで、特定のアカウント発というよりは違った形でバズったものが最終盤にでてきた。
また、裁判結果であったり、有名アカウントからの指摘など逆風が吹いた印象。

石丸伸二氏の選挙戦略

さてここからはもう少し細かいところを書いていきます。
石丸陣営の選挙戦略としてはとにかく知名度を上げることに奔走していました。
街頭演説回数合計228回というのは驚異的な数字だと思います。
街頭演説では日に日に人数が増え、当初は取り上げていなかったメディアも次第に報道するようになったとかならなかったとか。

つまり、知名度を上げるためにメディアに取り上げられることを第一目標として、必要なニュースバリューを上げる。
つまり街頭演説で信じられない数を集めること、youtubeでとんでもない再生数をたたき出すことの両方を達成することが第一目標だったと思います。
そこでようやくスタートラインとなり、次第にメディアもとりあげるようになれば知名度が上がり・・・ということだろうと思いました。

今回でいえば、そのスタートラインに到達するのが遅かった・・・ということでしょうか。

今回の結果をどのように分析するか

まずは今回の得票ですが速報値で以下の通りです。

そして分析を行うために世代別・性別別のデータについても見てみます。

これらを見ると、敗因はとにかく高齢者票と女性票が取れなかったことでしょう。
これらが組織票といえるかどうかは微妙です。
個人的に、これらをとれなかった原因にデマがあるとはあまり思えません。
どう考えてもネットとは離れている層です。
したがって、単純な知名度不足。
そして女性受けする公約の不足。(子育て支援について言及したほうがよかった?もっと分かりやすい公約がよかった?)
このあたりではないかなと思いました。
具体的には最初にメディアに取り上げられなかった時点で、そして小池さんがテレビでの公開討論会に出てこなかった時点でかなりキツかったですね。
蓮舫氏は結果的に選挙期間中に多数のミスを犯したせいで3位ということになりましたが、出馬した時点でメディアに「女性対決」を前面に押し出させたという意味で、石丸氏が本当に欲しかった選挙期間前の知名度を消してしまいました。

知名度に関しては、石丸氏がネット上だけでももっと全国的な人気になっていれば、本当にワンチャンあったと思います。
今回の都知事選を通して石丸氏を知ったというひとが相当数いたわけで、安芸高田市での4年間を少し高く見積もりすぎていたというのが本当のところではないでしょうか。
東国原知事ぐらいの知名度とブームぐらい欲しかったですね。
つまり、安芸高田市長時代で地上波で取り上げてもらえるくらいの知名度があれば・・・ということでしょう。
ネガキャンがなければもしかすると一大ムーブメントが起きていたかもという点はあるかもしれませんが、石丸氏のやり方は一定数の敵を生むのでアンチがいないということはないと思います。
したがって、ネガキャンはこれからもついて回る問題になるでしょう。
頭が痛い話です。

それからメディアとの関係。
石丸氏はメディアとも対決するぞという姿勢なので、メディアがわざわざ好意的に扱ってくれることはないというのも難しいところです。
個人的にはある程度力と知名度を手に入れてからメディアと対決してほしかったという思いはあるのですが、そのような一貫していない行動は石丸氏の魅力を削いでしまうので意味がないわけで。
安芸高田市での敗因もメディアに過剰に攻撃的になりすぎていたということだったと思っているので、ここは本当に難しいところです。
石丸氏の答弁や返答はとにかくメディアと相性が悪い。
メディアの都合やメディアの安易な質問をことごとく正論で叩き潰すので、メディア側からするとかなり扱いづらい人物です。
敗因にもなったこのあたり、今後どうなっていくのか・・・まぁ変わらないでしょうね。

それと対照的なのは小池氏です。
メディアをうまく扱い自身のネガティブなニュースを報道させない姿勢によって、数々の汚職や嘘、公約の穴、選挙期間の行動のまずさを突かせませんでした。
少なくともメディアが中立であれば・・・と思わざるを得ません。
このようにして立ち回る巨大な相手に対峙するためには、まだまだ石丸氏の力は足りませんでした。

石丸氏が今後どのような道に進みどのような政治活動をしていくのか、興味深く見守っていきたいです。

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