ジョージア映画祭2024@渋谷
ファンが待ちわびるジョージア映画祭の開催まであと約4か月となった。超短編あわせて40作品が上映され、うち15作品が日本初上映となる。
東京渋谷のユーロスペースで2024年8月31日(土)から9月27日(金)までの4週間にわたって開催される。
今年の映画祭はAからHまで、8つのプログラムとなっている。
A:ラナ・ゴゴベリゼ監督特集
ジョージアの伝説的女性監督である。代表作「金の糸」は自身の過去を投影し、91歳にして発表した過去との和解の物語だ。
ゴゴベリゼ監督は1985年秋に来日し、ソビエトのノーボスチ通信の取材に答えて次のように語っていた「私の映画の主人公はみな、ジョージアの女性たちです。今世紀初頭の人や同時代の人だったりします」(はらだたけひで著「グルジア映画への旅」未知谷)。
「彼女たちは、ジャーナリスト、建築家、学者、子だくさんの母親とさまざまです。革命は女性を家庭や職場から解放し、女性に男性と平等の権利を与えましたが、それでもなお女性たちは男女関係や家庭を仕事の問題に直面しています」。
B:エルダル・シェンゲラヤ監督特集
ジョージア映画界の最長老。2018年には21年ぶりに描く人生賛歌映画『葡萄畑に帰ろう』を発表して話題となった。
C:よみがえる歴史的名作
D:ギオルギ・シェンゲラヤ監督と「ピロスマニ」
名匠ギオルギ・シェンゲラヤ監督。国民的画家ニコ・ピロスマニの人生を描いた作品でも知られる。ピロスマニの激しくも叶わぬ恋を歌った「百万本のバラ」という作品が加藤登紀子さんの歌唱で知られている。
E:ジョージア映画祭アンコール
F:オタール・イオセリアーニ監督特集(追悼上映)
ソ連時代は上映を禁じられ、79年にフランスに移住。82年からテレビ作品を手がけた。2023年12月に亡くなった。
はらださんの著書によると、同監督の作品は「世界中の映画ファンから愛されています。穏やかなテンポで、詩と散文が入り混じったような作風が特徴で、思索的、哲学的な不思議な味わい」だという。
「それは作品に描かれた日常が、徹底して練られて作られたものだからです」。
G:テンギズ・アブラゼ監督「祈り 三部作」
ジョージア映画不朽の名作。巨匠テンギズ・アブラゼ監督が 20 年以上もの歳月をかけて完成させた「祈り 三部作」ーー『祈り』(67)、『希望の樹』(76)、『懺悔』(84)。
この三部作は「人間と社会が永遠に抱える不条理、野蛮な本性や社会がもたらす暴力を異なる視点で描いて、人間性を妨げるものを告発しています」(はらだたけひで)。
「そして各作品は倫理的志向、叡知への希求、叙事詩性において至高の領域に達しています」。
H:母と娘──「ヌツァとラナ」
ラナ・ゴゴベリゼ監督の母親ヌツァはジョージア初の女性監督だった。しかし、弾圧を受けて長いこと抑留されるという厳しい人生を歩んだ。
その母娘関係を描いた作品である。