音楽の夕べ@下北沢lown
クリスマスをあと幾日かに控えた2024年12月21日(土)、下北沢のライブハウスlown(ラウン)で5組のアーティストたちーーかおるね、湖春、こめすぎさん、awake’n、a la blue soulーーが演奏を披露した。
トップバッターはかおるねさん。
「今年ずっとライブしていないのでめちゃくちゃ緊張してるんです」と言いながら瓶ビールをラッパ飲みした。
かおるねさんが毎年花見に行くという横浜を流れる大岡川について歌った「桜の川」でまずはスタートした。
「私、シンガーソングビーラーって言います」。
2曲目のタイトルはそのものずばり「ビール」。
♪一番好きなのが赤星♪
♪私を見たらビールを頂戴 でも出来れば大瓶で♪
「私横浜在住なんです。野毛は私の最大の遊び場。そこをどうしても歌にしたくて作りました」とのMCの後歌ったのは新曲「野毛」。
「私ビール工場見学も好きなんです。ビールを作る工程を曲にしたいなって、先ほどの曲は「ビール」、今度は「ビール(製造篇)」」。
そう「ビール(製造篇)」を歌ったのだ。
かおるねさんがビールの次に好きなのはアイスということで次の曲は「アイス」。これはかおるねさんらしからぬセクシーな曲で、あのフォーク歌手中川五郎さんに「大人のアイスクリームの曲だね」と言われたほど。
「一曲ぐらい真面目な曲を歌いたいと思います」と歌ったのは「永遠」。
最後は「内緒」という曲だ。
♪ご機嫌すぎる私にあきれて嫌いにならないで♪
なるわけないじゃない。大盛り上がりで幕を閉じた。
二番手は湖春(こはる)さん。
一曲目は「ぽっけ」。
「私、平成生まれで早生まれの二年なんですが、平成の悪口をいう曲を作りました」と言って歌ったのは「へっぽこ平成」。
♪平成なんて時代に約30年も生きてしまった♪
♪今になって分かるよ どんな時代に生きたのか♪
「昭和に生まれて平成すっ飛ばして令和に来たかった」とのこと。
新曲をやるといい「しれッと生きる」「くやしいな」。
「前に住んでいたのが1K六畳一間だったのです」。
続いて演奏したのは「六畳一間からの恋心」。
「私の理想の女子小学生のことです」と言って歌うは「ベリーナイスガール」という作品だった。
女性シンガーソングライターが続いた後は男ばっかのバンド「こめすぎさん」がステージに上がった。ブルース主体のグループだ。
一曲目は「Road Runner」。これはボー・ディドリーだ。
続いてはウィルソン・ピケットの「64579」。
「古くていい曲はいつやっても楽しい」
そして二曲目のタイトルは「Hold on, I'm coming」。訳すと意味深になるが「まだ、いきそう」となる。コンプラ的にはどうなんだろう?
サム&デイブのシ1966年のシングルだった。
歌い終わると「だいたいブルースの歌詞って働くのが辛いとかそういうのばっかだから」と言いつつ「That Lucky Old Son」へ。1940年代の楽曲でフランキー・レインのヒットで知られている。
「アメリカ南部は独特のリズムがあります。中でもニューオリンズ」と言って始まったのは「Iko Iko」。これはDr.ジョンの作品だ。
ご機嫌なサウンドを聞かせてくれる。
続いては「オバマが大好きなサム・クックで、ジョン・レノンやストーンズもやってます」と言って歌ったのが「Bring it on home to me」だった。
最後はウィルソン・ピケットの「Mustang Sally」。
アンコールでもう一曲披露して幕を閉じた。
そして次に登場したのは男女ユニット「awake'n」。
まずはカバー曲からで、キャロル・キングの「I feel the earth move(空が落ちてくる)」などを披露。
ここからオリジナルで「I hope」。
前半はギター、後半はキーボードを奏でた美菜さんのボーカルはパワーがあるだけでなく伸びやかで会場に美しく響きわたり素敵だった。
美菜さんとパーカッションの吾(さとる)さんのユニットの音楽をジャンルでいうと「エモーショナル・アンビエント」なのだそう。
続いては「I remember」。
「私の痛い恋愛のことを書いた曲です」と言って「いつかまた」。
アンコールで「Love is」を披露した。
ちなみに吾さんが演奏するパーカッションは珍しいもんで一つはメキシコで雨乞いの儀式で使うザーザーという音のするパロディシェビナという楽器だった。何かにとりつかれたように演奏しまくる吾さんにはファンが多い。
トリは男女混合バンド「a la blue soul」だ。
「Any Voice」、「二十歳の恋」と続けた。
「基本的にオリジナル曲のバンドですが、今日は私の誕生日記念のライブなので私の人生を振り返る曲のライブです」と言って懐かしの歌謡曲メドレーを披露したのだ。
「恋の季節」(ピンキーとキラーズ)~「ウォンテッド」(ピンクレディー)~「Desire」(中森明菜)~「Loveマシーン」(モーニング娘)~「雪の華」(中島美嘉)と続いて最後は令和の曲だった。
一曲挟んでMCが入ったーー「一人ギターのメンバーが長期離脱しているんですが、いなくてもいるということでこの歌」と言って歌ったのは「パズルバード」。パズルは欠けないっていうことだった。
締めくくりは「ポケットの中の思い出についての曲です」と話した後、演奏したのは「ポケット」だった。
とりわけボーカルがとても魅力的なグループだった。