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”222”猫の日展①

 猫の日が今年もやって来る。
 そう、2月22日ーにゃんにゃんにゃんの日つまり猫の日だ。
 その日を控えて各地で猫をテーマとした展覧会が多数開かれている。
 2025年2月18日(火)、その中から二つ展覧会を訪れた。
 まずは、渋谷区神宮前の隠田ギャラリーでこの日にオープンして23日(日)まで開かれる「猫の日展 Special Weeeek CAT ART GARRARY」。
 オシャレな表参道ヒルズの裏手にある洒落たギャラリーだ。

穏田ギャラリー


 猫派か、犬派かという論争は以前からかまびすしい。
 著名人で猫好きは枚挙に暇がないほどだ。
 ジョン・レノンは育ったおばさんの家で猫を飼っていて、生涯にわたりしばしば猫のイラストを描いた。
 画家の藤田嗣治は猫をモチーフとした作品で知られる。
 寺山修司は「猫の辞典」として次のように猫を表現したー「ヒゲのある女の子」「闇夜の宝石詐欺師」「謎ときしない名探偵」「この世で一ばん小さな月を二つ持っている」「青ひげ公の八人目の妻」「財産のない快楽主義者」「毛深い怠け娼婦」「このスパイは、よく舐める」。
 現在、日本では犬を飼っている人より猫をペットにしている人の方が多いそうだ。猫ブームは続いている。
 さて、話を神宮前の猫展に戻そう。
 多くの作家たちのそれぞれ個性豊かな猫作品が楽しめた。

 まずは岡本真実さん。
 GG版画とあるが、これは「一回手描きしたものをコンピューターに取り込んでプリントアウトしたものに自分の手描きと合体させる」という。
 なんでもプリントアウトしただけでは凹凸に欠けるのだそうだ。

岡本真実「招福赤猫」CG版画+手描き

 次は三島明子さんだ。三島さんはもうこの世にいない。妹の和子さんが作品を飾りつけたそうだ。三島さんは多摩美術大学染色デザイン科卒、京都芸大学院日本画科卒、中国杭州浙江美術学院留学。
 染色と日本画の技法で植物や動物を題材に描いた。
 今から4年前に急逝された。

三島明子「黒猫 金茶色」

 若手男性作家のKAHONOさん。

KANOHO「猫耳」

 岩崎ナギさんは知る人ぞ知る水彩画家。神戸在住だ。

岩崎ナギ「相続された長靴をはいた猫」

 続いては若生ひとみさん。柔らかな猫の毛の質感が感じられる。

若生ひとみ「野梅のゆふかげ」

 山田貴裕さんは主に猫の白黒ペン画を描いている。シンプルな画材を通じ、動物の温かみ、いきいきとしたさまが紙の上に現れることを目指しているという。

山田貴裕「ブルーチップ」

 福島県出身の童画家やないふみえさんの作品も楽しめる。造形工房「Studio Noff-Noff」主宰。児童書、書籍、パンフレット、新聞などの挿絵も手がけている。

やないふみえ コラージュ 透明水彩

 猫のMiaちゃんと暮らしている鋤柄(すきがら)よし子さん。

鋤柄よし子

 兵庫県生まれの児玉えり子さん。

児玉えり子「星夜」油彩(左)、「ピーちゃんの横顔」水彩

 古川和美さんは京都生まれ、京都市立芸術大卒。

古川和美「黒猫クー」岩絵具 キャンバス 水箔和紙ほか(上)

 福本善隆さん。

福本善隆「午睡o0O」シークレー

 長岡卓さんは1945年、大分県宇佐市出まれ。1970年代はシュールレアリズム作品を手がけ、箱根彫刻の森美術館に作品が買い上げらる十世紀を残したりしたものの、82年に写実に転向した。

長岡卓

 光華みつこさんは第三回ホキ美術館プラチナ大賞入賞者。

光華みつこ

 さとちゃんは初めての出展だ。「見た人が柔らかい気持ちになれるように、ねこの優しさや自由さが伝わるように楽しく描いている」という。

さとちゃん「地球ねこふわ」水性グラフィックマーカー、オイルパステル、金箔 
佐藤元「銀河鉄道に乗ってそうなネコ」 
網目ホツレ「又の名」 
すぎやまゆうこ 
茶鍔chatuba「大きくなるんだよ」水彩、色鉛筆(左)、「ブレンド」ソフトパステル、色鉛筆
フリーイラストレーター丘田ぽんち「猫神」

 締めくくりは重鎮、大森英敏さん。大阪府出身のイラストレーター、アニメ演出家、アニメ監督。「ファイナルファンタジーVII」「ドラゴンボール」「ルパン三世」など250タイトル以上のアニメ制作に関わり、今も現役アニメーターとして活躍中。
 今回の猫展は大森さんの45周年記念展の一環として行われている。

大森英敏

(続く)

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