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昭和歌謡問屋JukeBox
昭和歌謡問屋JukeBoxという男女混合7人組が2024年12月14日(土)、東京恵比寿のオールディーズライブハウス「JAN KEN PON(じゃんけんぽん)」でライブを行ったのを観た。
会場の雰囲気がとてもよく楽しいライブだった。
JukeBoxは13年前からライブ活動をしているバンドだ。今回は約1年半ぶりのワンマンライブだという。
オープニングは笠置シズ子の「東京ブギウギ」だった。これは戦後間もない昭和22(1947)年に発表された歌だ。
ボーカルのチエさんが間奏ではステージを下りて観客と盛り上がった。
次がちあきなおみの「四つのお願い」(昭和45(1970)年)。
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ここでチエさんがJukeBoxを楽しむための三原則を述べた。
①小さい失敗気にしない
②大きい失敗気にしない
③自らノル
だそうだ
「私たち客席共有型、双方向性バンドだと話しております。一緒にステージを楽しんでください」とチエさん。
そしてピンキーとキラーズの「恋の季節」を歌った。昭和43(1968)年に発表されてオリコンチャート17週連続1位を記録した。
ここでメインボーカルがリョウさんに代わって、「バスストップ」(平浩二)。昭和47(1972)年発売のヒット曲だ。
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「私たち昭和のちょっと妖しい曲が好きでして、次の曲はやろうと思っていたけれど何度も反対が出て、コンプライアンス的にまずどうかって言っていたんです。でもJukeBoxだからいいだろうって」
「今でこそウーバーのCMとかでかっこいい女性となっている夏木マリさんの歌だけど、私は10代の頃に(あの手の動きを)どうしてもやりたくて練習していたんです。大人になって出来るようになってとても嬉しかった」とチエさんはこの歌にまつわる話をした。
その歌とは「絹の靴下」。作詞阿久悠、作曲川口真の作品で夏木マリさんの再デビューシングルとして昭和48(1973)年に発売された。
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ここでメンバー紹介となった。
ボーカル:チエさん
ギター兼ボーカル:リョウさん
ギター:クワちゃん
ベース:シェフさん
ドラムス(バンマス):会長
パーカッション:マサトさん
キーボード:カメちゃん
そして歌に戻って洋楽オールディーズの「ランナウェイ」をリョウさんが歌った。ギターソロから始まり間奏でもギターが映えた。
続いてキーボードの演奏のイントロで始まったのは八神純子の「水色の雨」。これは昭和53(1978)年の歌だ。
風邪を引いてしまい高い声が苦しかったことをチエさんは歌い終わると土下座して詫びると客席から「謝らなくていいんだよ」「全然大丈夫」といったあたたかい声がかけられた。
チエさんは「気を取り直して」と言って紹介したのは沢田研二の「TOKIO」(昭和55(1980)年)でボーカルはリョウさん。
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そして渡辺真知子の「唇よ熱く君を語れ」(同)。
「JukeBoxといえば山本リンダですね」(昭和47(1972)年)と言ってチエさんが歌ったのは「どうにもとまらない」だった。
ここで客席にいる他のバンドの紹介があって、「アーリータイムズ」「アンディ」「カナタマ」といったグループが自己紹介した。
ここで第一部が終わった。
休憩時間中、チエさんの指導でカントリーダンスを希望者で練習した。
第二部のスタートはチエさんのこの言葉から「今年の夏は暑かったですね。夏を思い出して聞いてください」。歌ったのは天地真理の「恋する夏の日」(昭和48(1973)年)だった。
「私、真理ちゃん自転車が欲しくてね。でも買ってもらえなかったんです」とチエさんは想い出を語った。
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続いては南沙織あるいは森高千里で知られる「17才」。昭和46(1971)年の南沙織のデビューシングルだが、のちにカバーされた。
西城秀樹の「情熱の嵐」が続いた。もちろんボーカルはリョウさん。
ゲストシンガーにカツコさんを迎えてチエさんと一緒にザ・ピーナッツの「恋のバカンス」。
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ここからはピンクレディーを2曲続けた。もちろんフリ付きで客席では立ち上がって一緒に踊る人たちも。
まずは「SOS」(昭和51(1976)年発売)そして「渚のシンドバッド」(昭和52(1977)年)。
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そして次はサザンオールスターズ。リョウさんが「いとしのエリー」(昭和59(1979)年)をしっとりと歌い上げた。
ヴィーナスの「キッスは目にして」(昭和56(1981)年)の後、再びサザンで会場は熱気に包まれた。デビュー曲「勝手にシンドバッド」(昭和58(1978)年)。よく知られた話だが、これは沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンクレディーの「渚のシンドバッド」という前年のヒット曲のタイトルを合体させたものだ。
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途中「今何時?」という歌詞の後、リョウさんは時計を見て「3時46分」という小ネタを挟んだ。
本編最後はフィンガー5の「学園天国」(昭和49(1974)年)。これは小泉今日子のカバーでも知られる曲だ。
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ここからアンコール。まずはサディスティック・ミカ・バンド「タイムマシンにお願い」(昭和49(1974)年)。風邪を引いているとは信じられないくらい見事なボーカルをチエさんは披露した。
最後は梓みちよの「二人でお酒を」(昭和49(1974)年)。梓みちよさながらにチエさんは床に座って歌った。
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