画家による画家の春陽会
画家による画家のための団体「春陽会」第1回展から100年。東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)では『春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ』が2023年9月16日(土)から11月12日(日)まで開催される。
春陽会は、民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちで構成された創立会員を中心に、新進気鋭の画家たちが加わり新たに結成された。現在も活動を続ける美術団体だ。
画家たちの個性を尊重する「各人主義」を大事だと考えてきた春陽会。同会の展覧会には油彩だけでなく、版画、水墨画、さらには新聞挿絵の原画などが形式にとらわれずに自由に出品された。
この会を舞台に、小杉放菴、木村荘八、長谷川潔ら多くの著名な画家たちが活躍した。本展では、その創立から1950年代までの展開を追いつつ、春陽会の展覧会第1回展からの出品作を中心に紹介する。
50名近い画家たちによる良質の作品が、約50ヵ所の所蔵先から集まるこだわりの内容だ。なかでも、岸田劉生が春陽会に所属していた時期の作品11点が出品される。油彩では三味線を弾く麗子像や芝居絵、日本画では寒山拾得図と二人の麗子像も登場する。
また、木村荘八の代表作《パンの会》、第1回直木賞受賞作家の川口松太郎が傑作と推す《川岸夜 (明治一代女)》、永井荷風『濹東綺譚』挿絵(原画)といった作品に加え、絵と文により日本芸術院恩賜賞を受賞した『東京繁昌記』の表紙のために描かれた《銀座みゆき通り》など12件を紹介。
さらには、中川一政の作品は、第1回展の頃の草土社風の静物画、大衆に親しまれた尾崎士郎『人生劇場』の挿絵原画、強い存在感を放つ人物画、駒ケ岳、向日葵を描いた油彩画など6点を紹介する。
そして、細かい筆致で風景や花などを描き、若い画家たちに強い影響を与えた岡鹿之助の油彩が6点展示される。
会期中に展示替えがある。開館時間は午前10時から午後6時まで、金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)。
休館日は月曜日(ただし9月18日、10月9日、11月6日は開館)。9月19日(火)と10月10日(火)は閉館。
入館料は一般1300円、高校・大学生1100円、中学生以下無料。
連絡先は03-3212-2485。東京ステーションギャラリーの公式サイトはhttps://www.ejrct.or.jp/gallery/□。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?