「モネ、ルノワール 印象派の光」
松岡美術館(東京都港区白金台5-12-6)にて「モネ、ルノワール 印象派の光」が2023年10月9日(月)まで開催中だ。同館が所蔵する西洋画コレクションから、フランス印象派・新印象派の絵画が一堂に会している。2017年以来、6年ぶりの一挙公開である。
当館の設立者である松岡清次郎の印象派コレクションにはモネ、ルノワール、ピサロといった印象派の中心メンバーに加えてギヨマンの作品が多数あり、新印象派のコレクションにはスーラがない一方でリュスやマルタンの作品が多いという珍しい内容になっている。
この偏りから松岡清次郎の理想の美が感じ取れるだろう。1975年に、実業家松岡が蒐集した美術品を公開するため設立されたのが当館。1917(大正6)年に貿易商から身を起こした松岡の理想は自らの眼にかなった「美しいもの」を追い求め集めていくことだった。
印象派の巨匠モネ。作品に充満する光に満ちた色彩とは裏腹に、その生涯は波乱万丈だった。中産階級の裕福な家庭に生まれたモネは、16歳ごろには風刺画で小遣い稼ぎが出来るほど才能を発揮していた。
それを見抜いた画家ブーダンの誘いで、モネは戸外での油彩制作を始める。本格的に絵を学ぶためにパリに出たモネは画塾でピサロやシスレー、ルノワールらと出会う。順調なスタートを切ったモネ。
しかし、父からの仕送りが恋人カミーユとの交際が理由で止まる。1867年のサロンに出品した労作『庭の中の女たち』が落選。大きなショックを受けた。この年の夏、貧困にあえいだモネは家族の住むサン=タドレスに身を寄せ、この地でモネは活動初期の名作をいくつも生み出した。
一方、ルノワールは早くから「人物画家」であることを自負し、友人やその家族、親しいパトロンの肖像を多く手がけた。1876年、ルノワールはパトロンを通じて、『風車小屋だより』や『アルルの女』で知られる小説家アルフォンス・ドーデと知り合い、夫人ジュリアの肖像を油彩で制作。
その2年後に誕生した次男リュシアンをモデルにした作品もある。ルノワールは子どもを描く際に、無理にポーズを取らせることなく、玩具で遊ばせるなど、なるべく自然な姿を描くようにしていた。
開館時間は午前10時から午後5時まで(最終入館時間は午後4時半)。毎月第1金曜日は午前10時から午後7時まで(入館は午後6時半まで)。休館日は月曜日。祝日の場合は翌平日が休館となる。観覧料は一般1200円、25歳以下500円、高校生以下は無料。
松岡美術館の公式サイトはhttps://www.matsuoka-museumu.jp/□