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杉田水脈を公認するな!

 安倍晋三元首相に引っ張り上げられて自民党の国会議員として活動してきた杉田水脈(みお)氏は人権感覚に極めて欠ける人物として知られ、これまでにアイヌや在日コリアンに関する舌禍事件を起こしてきた。
 そのレイシスト杉田氏が今月下旬に行われる衆院選に再び出るのか、そしてその場合、自民党は公認するのか、が問題になっている中、「〈共同声明〉杉田水脈氏は衆議院議員にふさわしくありません」と題した集会が2024年10月10日(木)に参議院議員会館の会議室で行われた。
 国際人権法の専門家で共同代表の前田朗(あきら)・東京造形大学名誉教授は「私たちは差別に反対です。ああいうレイシストを衆議院議員にしていいのでしょうか。それを公認するかどうかを判断する自民党をも問いたい」と話す。
 現在、次期衆議院選挙に出る予定の自民党の候補者のうち12人が裏金問題で公認を受けられないが、杉田氏を含めてあと3人は「保留中」。
 「まだ(公認される)可能性があるので、こういう場を設けて、自民党に公認しないように要請するというのが私たちの趣旨です」。
 杉田氏は2017年の衆議院選挙で比例中国ブロックから出馬し、3期。

前田朗さん


 同じく共同代表を務める評論家の佐高信さんはいう「杉田水脈が選挙の最大の争点だと思います。差別か反差別かということです」。
 「自民党総裁選の候補者5人のうち一人も護憲がいなかった。(差別主義者の)杉田水脈はそこに属しており、明らかに憲法違反です」。
 「杉田水脈を非公認にすることをためらっている最大の理由はそこだと思っています」と佐高さん。
 「自民党がヤクザなら維新は半グレ。でも自民党の半グレ化が進んでいる。杉田水脈は最初、維新の比例代表で当選している。そして自民党に移った。半グレからヤクザのコースを歩んでいる」。
 「杉田水脈は高市早苗予備軍みたいなものだと思います。ああいう人たちが自民党内で影響力を持ってきている。それをどうするかが今度の選挙の大きな争点だと思っています」
 「朝ドラの「虎に翼」の主人公が”プラスヒロイン”ならば、杉田水脈は”マイナスヒロイン”。タカ派ならぬバカ派の高市早苗。ひっくるめて自民党の体質が浮かび上がるだろう」。

佐高信さん


 ではここで杉田氏のレイシストぶりをいくつか例を挙げて見ていきたい。
 まず2016年2月にジュネーブで開催された国連女性差別撤廃委員会での日本審査に杉田議員は「覆面参加」し、NGOの女性たちを無断で撮影し、それをブログに掲載し「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」「目の前に敵がいる!大量の左翼集団」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」と書いた。
 また、2016年11月号の雑誌「新潮45」で「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです」と書いた。極端な「優生思想」につながると批判された「新潮45」はその後、廃刊となった。
 2020年8月、フリージャーナリストの伊藤詩織さんは、杉田氏がtwitter上で伊藤さんを中傷する多数のツイートに対して賛同を意味する「いいね」を押して、中傷ツイートを拡散させた。
 2020年9月、杉田議員は女性への暴力や性犯罪に関して「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言。

数々のマイノリティ差別、ヘイト・スピーチ
 レイシズムだけではなく、裏金にも関わっている。
 2018~2020年と2022年に安倍派から寄付された計1564万円が不記載だった。そのため2024年1月、政治資金収支報告書の訂正を届け出た。訂正報告書によると、支出先はスナック、カフェ、居酒屋、カレー屋、カラオケ喫茶、焼肉店、ダイニングバー、串焼き専門店などだった。

杉田水脈参議院議員(wikip;ediaより)


 共同声明は次の通り:
 「杉田議員は、議員の公的地位を利用してマイノリティに対する誹謗中傷を行い、ヘイト・スピーチを繰り返してきました。レイシズムによる人権侵害の常習犯です。また杉田議員は、社会的批判を受けても、事実を否定してごまかそうとしてきました。裏金問題では、公金をスナック、カフェ、居酒屋の呑み代に使っていたことが発覚しました。杉田議員は説明責任を果たすことを拒否しています。あまりに無責任な態度であり、国会議員の資格があるとは考えられません」。
 「日本の市民社会は、杉田氏を選挙に立候補させないこと、立候補しても当選させないことをめざして、声を上げていきましょう」
 この呼びかけに対して署名がすでに一万を超えているという。

杉田氏からのリアクション
 この共同声明を杉田氏に直接届ける予定はなかったが、「一昨日夜、Xに(ジャーナリストの)有田芳生さんがこういう署名があるよと書いてくれました。それを見た杉田氏が自分のXにこんなことでやり玉にあげられているけれど、批判されるのは私だけとやりがいがあるかのような書き込みをしています」と前田さんは話した。
 杉田氏はXで書いた「自民党が私を公認しようがしまいが、あなた方とあなた方を支援する人達は、与党には絶対投票しませんよね?ということは、あなた方がいくら騒ごうが、私にはなんの影響もありません!ということです。お疲れ様ですっ(笑)」。
 もし自民党が公認して選挙戦に突入した場合「当然、同じ声を上げ続けます」と前田さんは断言する。
 そして日本は2016年にヘイトスピーチ解消法を作ったが、「極めて不十分な法律であり、差別を禁止しているわけでなく許してしまっているものなので、差別禁止法を作らないといけない」と前田さんは力を込めた。
 
 

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