山口敦子ライブ@阿佐ヶ谷
2024年2月11日(日)、ライブ「丁寧に唄う夜 Vol.10」が「阿佐ヶ谷SOUL玉TOKYO」(杉並区阿佐谷北2-13-2)で開催されたのを鑑賞した。登場した歌手は山口敦子さん、福田満さん、加藤朋洋さん。
実際のライブではトリを務めた山口さんのパフォーマンスから。
2曲目は今回の「課題曲」として他の2人も歌った「塀の上で」。これは作詞作曲が鈴木慶一の「はちみつぱい」の曲だ。
次は山口さんのオリジナル曲「空の色」。続けてボブ・ディランの「北国の少女」を深みがあると同時に澄んだ美しい声で歌った。
そして、「もう春の気配なので、春になっちゃう前に冬の歌を」と山口さんが話して、アコースティックギターからマンドリンに持ち替えて、歌ったのはスコットランド民謡の「The Month of January」。
この歌の「主眼は男の人が優しいのは最初だけだから信用しちゃいけないってことです」と歌詞の解説があった。
次に、山口さんが歌ったのは加川良の「教訓 II」。この歌は戦争に駆り出されそうになる若者たちへのメッセージであるー「命は一つ 人生は一回」「蒼くなって尻込みなさい 逃げなさい隠れなさい」。
広い意味での反戦歌。狭義では抵抗歌とでもいうのだろうか。
次の歌はこうだー「幸せが風に乗り 矢を放ち・・・5時のサイレンが鳴り止むと みんな星の下で踊ります」。タイトルは「旦那と女房」。
再びギターに戻って米作曲家フォスターの「Hard Times Come Again No More」、日本タイトルは「冬の花火」とつけられている。
「タイトルは冬ですが、年中歌います。東日本大震災の頃から出番が増えて、ずっと歌ってます。そんなこともあったねといえる日がいつか来るんでしょうか」と山口さんは話すと、再びこの曲を歌った。
山口さんの時間の最後を締めくくったのは金森幸介作の「心の話」。
「いいニュースが一つ 悪いニュースが二つ たいていはそんなペース 毎日が流れてく 眠らない町に住む 眠れない人たちは そんなもんだよって 毎日を毎日 やりすごす・・・・・」
さて時間を戻そう。この日のライブの冒頭に登場したのは福田満さんだった。福田さんは普段、ダブルマンダラというグループで活動している。
冒頭は、ビートルズ1966年の作品「For No One」を歌った。
続くは「グルグルまわってな」。
そして「People get ready」で、これは米R&Bグループのインプレッションズが1965年に発表したナンバーで、日本語詞で歌った。映画「瞳を閉じて」でも使われた。
そして課題曲「塀の上で」。
「20年くらい前に作った曲です。その頃、細野晴臣さんのトロピカル三部作がすごく好きだった」というとオリジナル曲「春花香」を披露。
「ああ、さよなら春の日」とか「ああ、水ぬるむ春よ」といった歌詞が登場するので、今の季節とはピッタリではないか。
続くは自作曲「エルパソの娘」。ラテンタッチの曲でコメントも「マリアッチ、ああいうものに非常にあこがれがあるんです」と述べた。ちなみに町アッチとはメキシコの民族音楽のひとつで楽団そのものを指すこともある。
福田さんは、「レディオガール」「救われる気持ち」と続けて、いよいよ最後の曲「休みの国」で一人目としてのパフォーマンスが終了。
二番手は加藤朋洋さん。6人編成のバン「ドン珍否島Trippers」で活動しているが今回はソロでの登場だ。
まずはあいさつ代わりに小坂忠の「機関車」。
「丁寧に唄う夜」なので、「いつも丁寧に唄っていないわけではありませんが、今夜は出来る限り丁寧に唄いたいと思っています」。
次はカバー曲で「ロボットAB」。
そして課題曲の「塀の上で」。
「大好きなパンクバンド「クラッシュ」の曲を一曲やります、日本語の歌詞をつけて」というと「Death or Glory」を演奏した。
ここで加藤さんは「パンクロックというジャンルyはいまや青春パンクになり果ててる。ロックっぽい衣装をまとったいろんな音楽が跋扈してる。今の世界を見るといろいろと考えちゃいますよね」と一言。
次も加藤さんが好きな「じゃがたら」の「もうがまんできない」。続けて遠藤賢二のカバーを歌った後、オリジナル曲「満ち欠け」で締めた。
最後の最後は3人でボブ・ディランの「Wallflower」を歌った。
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