ロック写真家ほりたよしか
世界的ミュージシャンの撮影をする写真家・ほりたよしかさんの初の個展「ロックフォトグラファー ほりたよしかの写真 21世紀のはじまり」が東京・赤坂Bizタワーで開催中のところ、2023年5月6日(土)に訪ねた。
新世紀が始まり、ほりたさん自身もまだ駆け出しだった2001年がテーマだ。その年に撮られたバンドやミュージシャン41組の124点をコラージュ風に展示している。キッスらのエネルギッシュな姿が拝める。
ポール・マッカートニーやレディー・ガガらから来日時の専属カメラマンに指名されたこともある。ただし、今回は彼らの写真は展示されていない。
海外アーチストだけではない。矢沢永吉ら国内アーティストたちの写真も飾られている。なお、スクリーンでは2001年以外の年に撮影されたミュージシャンたちの映像も楽しめる。例えば、Char、奥田民生、気志團、鬼束ちひろらの写真である。
ほりたさんは若い頃、クラッシュの『ロンドン・コーリング』のジャケット写真に魅入られた。ペニー・スミスという女性フォトグラファーの作品で、その場の空気感をしっかりと写し出していた。ほりたさんはペニーに対するライバル心を今でも持ち続けているのだという。
ほりたさんは中学時代をテネシー州で過ごした。1993年から音楽雑誌の編集カメラマンとして活動を開始する。2000年、34歳で写真家として独立した。そして今回の個展でフォーカスされている2001年は彼女のプロキャリアが本格化した年だ。今回は初の個展となる。
ほりたさんは個展の開催をこれまで拒否してきた。というのも「アーティストの名前に乗っかりたくない」からだった。だが、仲間から「あなたが昔、どんな人をどう撮ってきたのか見たい」と言われて、「そういう形なら『自分の写真展』といえるかな」と思ったのだという。
ほりたさんが『ロンドン・コーリング』の写真に魅せられてから44年。そして彼女自身が写真を撮るようになってから30年。初の個展は2023年5月7日(日)、盛況のうちに幕を閉じる。