結婚トレンド調査
こうあるべきにとらわれない結婚がさらに進化して二人を中心に作り上げて楽しむ結婚式に。ウェディングイベントへの招待客人数や費用総額は緩やかな増加傾向だがコロナ前の水準にまでは回復していない。
リクルートが企画・運営する結婚情報サービス「ゼクシィ」と同社が運営する「リクルートブライダル総研」がこのたび取りまとめた「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」で明らかになった。
リクルートブライダル総研の落合歩(あゆむ)所長は2024年10月25日(金)に開かれたオンライン発表会で「実施形式の多様化が進んでおり、自由でふたりらしさを実現する時間になっている」と分析した。
これを”NOノーマル”婚と名づけている。「周囲やこれまでの「こうするべき」の既成概念を超えて自由に、二人らしく、ありのままに、常識にとらわれない結婚式」のことを指すという。
そして「2024年は”NOノーマル”婚がさらに進化。ふたりや親はもちろん友人・子どもを含むゲスト全員が「こうするべき」にとらわれずに作り上げ楽しむ結婚式」といえるとした。
これまでのトレンドを10年単位で振り返ると、1980年代はバブルもあって「派手婚」、1990年代は「地味婚」、2000年代は「アットホーム婚」、2010年代は2011年の東日本大震災が一つのきっかけとなって本質的な価値に立ち戻る「つながり婚」だった。
そして、森奈織子(なおこ)ゼクシィ統括編集長はいう「2020年代は”NOノーマル”婚で、こうあるべきだという既成概念を超えて自由で二人らしくあって常識にとらわれない結婚式がトレンドになっています」。
男女の役割が変わった!
また男女役割にも変化があると森編集長。「「暗黙のジェンダーロール」から「ジェンダーレス」へということで、当たり前とされた男女の役割から二人でフラットに結婚式を作るようになった」。
「本年度はより自然な「ジェンダーレス」となっており、無意識的にジェンダーロールが取り払われてきている。例えばこれまでと違って新郎もブーケを持つとか、ウェルカムスピーチを二人で行うとかです」。
プログラムもまた進化し、定型プログラムすなわち従来の余興や演出が多い結婚式から雑談中心のものとなり、上司や主賓からの挨拶を省略するような傾向になっています。結婚式を共に作り上げるという意味でゲストを巻き込んだ自由なプログラムにもなっています」と森編集長。
また、2023年度の披露宴・ウェディングパーティの平均招待客人数は52.0人だった。前年の49.1人に比べ微増だったものの、コロナ前の2019年度の66・3人には大きく及ばない水準。
これらを間柄別にみると、学生時代の恩師・友人(勤務先以外の友人)が22.8人、親族が20.6人、勤務先の上司・同僚が8.4人、親の友人・知人・近所の人が1.2人だった。
「コロナ期間中は20人未満の少人数帯が多かったが、再び80人以上の大規模帯の割合が上回ってきた」と落合所長は話す。
森編集長は「カップルの価値観も変わってきており、少人数婚も一定程度存在してゆくとみています」と付け加えた。
さらに、挙式・披露宴・ウェディングパーティの平均総額は343.9万円と前年の327.1万円から5.1%増加した。だが、ここでもコロナ前水準(2019年度の362.3万円)まで回復していない。
親が援助している割合は74.2%だった。
昨今、経済事情から結婚をためらう若者も少なからずいるという。
落合所長は結婚をしたくても出来ない人たちに絞って言えば「経済事情が理由にあがってくることは多々あると思う。どうしても結婚することが伝統的価値観もあって、どちらかが養わなければいけないというような考えがあると、経済的理由から前向きになれないこともあるかもしれない」と話す。
「ただ、結婚出来ない理由として一番多いのは出会いがないことなのです。一つの解決策として結婚サービスがかなり広がってきています」。
この調査は2023年4月から翌年3月までに挙式または披露宴、ウェディングパーティを実施した20,30代を対象に行われた。
(冒頭写真はイメージ)
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