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カナレットとヴェネツィア

 ヴェネツィアといえば水の都。そのヴェネツィア生まれの画家カナレット(1697-1768)は生まれ故郷を遠近法に基づいて正確に描いたことで知られる。その手法をヴェドゥータ(景観画)という。
 「カナレットとヴェネツィアの輝き」展が2024年12月28日(土)までSOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)で開催中。
 18世紀のヴェドゥータの巨匠カナレット日本初の展覧会だ。
 ツアーでイタリアを訪れた英国の上流階級が旅の記念としてこぞってカナレットによるヴェドゥータを買い求めたという。いわば「名所絵」であり、今でいえば名所の絵葉書的なものだったのではないか。

カナレット《サン・マルコ広場》 1732-1733年頃  東京富士美術館 ©東京富士美術館/DNPartcom


 精密な遠近図法を用いて綿密に描かれた街並み、晴朗な空や輝く水面、そしてヴェネツィア共和国時代の栄華をしのばせる祝祭の光景など、カナレットが残した作品の数々を通して、今も変わらぬ姿をとどめる世界遺産の街ヴェネツィアを体感するように鑑賞出来よう。
 英国にあるカナレット作品に加え、モネやホイッスラーといった近代の画家たちがヴェネツィアを描いた作品も併せて展示している。

 展覧会は全5章から成る
○第1章「カナレット以前のヴェネツィア」
○第2章「カナレットのヴェドゥータ」

 カナレット《サン・ヴィオ広場から見たカナル・グランデ》1730年以降 スコットランド国立美術館 ⒸNational Galleries of Scotland
カナレット《カナル・グランデのレガッタ》1730-1739年頃 ボウズ美術館 ⓒThe Bowes Museum, Barnard Castle, Co. Durham, England


○第3章「カナレットの版画と素描ー創造の周辺」

カナレット 《ドーロ風景》1744年以降に刊行  スコットランド国立美術館 ⒸNational Galleries of Scotland


○第4章「同時代の画家たち、後継者たち-カナレットに連なる系譜の展開」

 ベルナルド・ベロット《ルッカ、サン・マルティーノ広場》1742-1746年 ヨーク・ミュージアム・トラスト(ヨーク美術館) ⓒYork Museum Trust(York Art Gallery).Presented by F.D.Lycett Green through The Art Fund,1955.
ウィリアム・マーロー 《カプリッチョ:セント・ポール大聖堂とヴェネツィアの運河》1795年頃  ⓒ Tate


○第5章「カナレットの遺産」

ウジェーヌ・ブーダン《カナル・グランデ、ヴェネツィア》1895年  東京富士美術館 Ⓒ東京富士美術館/DNPartcom

 休館日は月曜日(ただし10月14日、11月4日は開館)。
 開館時間は午前10時から午後6時(金曜日は午後8時まで)、最終入場は閉館30分前まで。
 観覧料は一般1800円、大学生1200円、高校生以下無料。
 問い合わせは℡050-5541-8000(ハローダイヤル)。SOMPO美術館の公式ホームページは https://www.sompo-museum.org/

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