「シンガポール盤の悲劇」
【スピリチュアル・ビートルズ】2023年11月25日(土)、26日(日)にイベントスペース「Rock Cafe Loft is your room」(東京都新宿区歌舞伎町)で開かれた「マジカル・ミステリー・ツアー」でいわば番外編として、「Sgt. Pepper's Lonely Heats Club Band」が シンガポールでいかにいじられたのか。
「シンガポール盤の悲劇」が語られた。
まずはシンガポールという国について。1955年にイギリスより独立した。東南アジアの小国ながらリー・クワン・ユーの強いリーダーシップのもとで経済発展を遂げて今や世界で最も裕福な国のひとつだ。独自の経済発展をしてきたが、政治体制や社会統治には特徴がある。
ゴミやガムのポイ捨ては罰せられるし、最も厳しいのは薬物に対して。500グラム以上の大麻で即死刑。ポールが日本に持ち込んだ大麻が187グラムだったから、もしシンガポールなら間違いなく実刑だった。
『Sgt. Pepper's』のアルバムから3曲がシンガポール盤では差し替えられている。薬物を連想させるからである。
2曲目の「With a little help with my friends」が「Fool on the hill」に、3曲目の「Lucy in the sky with diamonds」が「Baby you're rich man」に、そして最後の「A day in the life」が「I am the walrus」になっている。
「コンセプト・アルバムといわれている『Sgt. Pepper's』が全く別物になっちゃった。歌詞を見せないために、裏ジャケットにはもともと歌詞が載せられていたが、シンガポール盤ではそこも変えられている」。
MMTのEPには結局、3曲しか残っていないのでMMTのEP盤はおかしなことになってしまった。「ばらばらにされて他のLPの補完材料に使われた。でもここから分かるのはMMTの主要曲ってのは水準が高いということ。だから他に使われたのでしょう」。