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ラーメン大好き小池さん

 藤子不二雄さん(のちの藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄)の「オバケのQ太郎」や「パーマン」などの漫画に登場するアフロヘアでメガネをかけていて、いつもラーメンを食べているおじさん「ラーメン大好き小池さん」。
 シャランQなどは「ラーメン大好き小池さんの唄」を作ったぐらいだ。
 そのおじさんにモデルがいたことをご存じでしょうか?
 マンガ家の梁山泊といわれるトキワ荘で石ノ森章太郎、赤塚不二夫らと切磋琢磨した鈴木伸一さんがそのモデルなのです。


 実際、鈴木さんはラーメンなどの麺好きで、トキワ荘近くの中華料理店「松葉」からラーメンを出前してもらっていたといいます。
 鈴木さんはアニメーションの道へと進み、今も現役です。鈴木さん曰く「絵や人形のように生命のないものを、いきいきと動かすこと。生命のないものが動く面白さ、その興奮がアニメーションの最大の魅力」だと。
 その鈴木さんに焦点を当てた特別展「鈴木伸一のアニメーションづくりは楽しい!!~トキワ荘からアニメの世界へ~」が2024年7月15日(月・祝)まで「トキワ荘マンガミュージアム」(東京都豊島区南長崎3-9-22)で開催中だ。

 
鈴木伸一さんが暮らしていたトキワ荘2階の部屋

 鈴木さんは仲間たちのことを次のように見ていた。まず藤子不二雄Ⓐさんは「つきあい上手で人を楽しませる才にたけた人」。藤子・F・不二雄さんのことは「普段から真面目が服を着て歩いているような人」とした。
 向かいの部屋に住んでいた石ノ森章太郎さんは「誰もまねができない速さで完全なものを描くことが出来た」という。
 ギャグマンガの巨匠となる赤塚不二夫さんは「色白の美男子で、普段は人としゃべる時もシャイでおとなしい青年だった」。
 トキワ荘でよく出前を取っていたのが中華料理店「松葉」。現在は三代目。店内にはトキワ荘ゆかりの写真や色紙がある。

中華料理「松葉」
 「松葉」の店内
 「松葉」の店内
「松葉」の店内


 特別展では、アニメを作り続けている鈴木伸一の歩みを紹介するとともに、アニメの作り方や様々な種類なども紹介している。

アニメのつくりかた 


 開館時間は午前10時から午後6時(入館は午後5時半まで)。休館日は月曜日(祝日の場合は翌平日)。特別拝観料(入館特典グッズ付き):大人500円、小中学生100円、未就学児または障がい者手帳を提示の方と介助者1名までは無料。
 事前予約制。ミュージアムのホームページの申し込みフォームから。

 鈴木伸一さんは1933年長崎県生まれ。
 中学生時代から「漫画少年」に投稿を行っていた少年時代を経て、下関市から上京。1955年、トキワ荘に入居。
 昼はデザイン会社で働き、夜にマンガを描いていた。着替えをしなくても済むようにとスーツで寝て、一張羅のスーツをダメにしてしまったという。
 1956年、「フクちゃん」などの作品で知られる横山隆一の主宰するおとぎプロに入社。住み込みで「ふくすけ」「おとぎの世界旅行」「プラス50000年」などのアニメ制作に携わる。
 1963年、トキワ荘の仲間とスタジオゼロを設立。テレビアニメ制作などに携わる。解散後も、自主アニメやCMなどでアニメをつくり続ける。
 2004年、ベテランアニメーターたちとアニメの自主制作集団G9+1を結成。第一作「TOKYOファンタジア」で第9回東京アニメアワード公募部門グランプリを受賞した。
 2005年、杉並アニメーションミュージアム館長に就任(現在は名誉館長)。現在G9+1のメンバーと最新作を制作中。
 藤子不二雄Ⓐの「まんが道」:にはアニメへの思いを熱く語る鈴木伸一の姿が描かれている。

 
トキワ荘マンガミュージアム

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